【ニュース・イギリス】シンクタンクによるサンドウィッチイヤー中の学費の妥当性の調査

2018年11月11日、自由保守主義系の独立シンクタンクであるブライト・ブルーは、イギリスの各大学がサンドウィッチイヤー*に課している学費の差を示すデータを公表し、学生局(OfS:Office for Students)にこの学費の正当性の調査を呼びかけた。

 

ブライト・ブルーのRyan Shorthouse取締役は、“大学はサンドウィッチイヤーに入っている英国学生とEU留学生に対して最高1,850ポンドの学費を課すことを許可されている。またこの課される学費には大学によりかなりの格差が生じている。多くの場合は上限額付近に集まっている。サンドウィッチイヤーにまったく学費を課していないところもある。”“サンドウィッチイヤーの間、学生はその労働に対して収入を得ている。特に、多くの大学が学費を課すことなくサンドウィッチイヤーを提供できているため、学生がサンドウィッチイヤーに対して何のために何千ポンドもの学費を払っているかは明確ではない。そこで新しくできたOfSは、このサンドウィッチイヤーの学費の正当性を包括的に調査し、もし必要であれば、不当な学費を廃止するための行動を取るべきである。”

 

ブライト・ブルーは、2018年8月に情報公開として94のイングランドの大学に質問状を送付した。

その内容は:

2016/2017学事年度でサンドウィッチイヤーの学部学生に対して課された学費
2016/2017学事年度でサンドウィッチイヤーに入った学部学生の数
2016/2017学事年度でサンドウィッチイヤーを利用した、プレイスメントイヤー**の学部学生から支払われた学費の総合計額
2016/2017学事年度で学部学生のための全てのプレイスメントイヤーにかかった管理費用の合計額

 

ブライト・ブルーが調査した94のイングランドの大学とはすべてのイングランドの大学ではない。また、全大学から回答は回収できなかった。

 

回収された回答からの結果は:

  • サンドウィッチイヤーを始めた英国学生に個別の学費割合を示すことができていた64大学中のうち、11大学は2016/2017学事年度に学費を課していない。
  • サンドウィッチイヤーを始めた英国学生に個別の学費割合を示すことができていた64大学のうち、12大学は、2016/2017学事年度に最高額となる1,800ポンドを課している。
  • サンドウィッチイヤーを始めた英国学生に個別の学費割合を示すことができていた64大学が課していた学費の中央値は1,000ポンドであった。
  • 調査した94大学中23大学は、返答がなかったか、求められたデータを提供することができないということだった。

*サンドウィッチイヤー:大学で最終学年の前年に1年間の職務経験を体験する制度。
**プレイスメントイヤー:大学にいながら1年間雇用され、就業できる制度。

 

1ポンド≒149円(2018年11月9日)

 

調査結果の詳細:
Bright Blue:Ryan Shorthouse and Jessica Prestidge: Tuition fees for sandwich years, by English university (2016-17)

 

Bright Blue:Investigate justifiability of tuition fees for sandwich years, says Bright Blue

地域 西欧
イギリス
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
学生の経済的支援 学費
人材育成 学生の就職
統計、データ 統計・データ