【ニュース・イギリス】オープンリサーチデータに関する協定を締結

2016年7月28日、イングランド高等教育財政会議 (HEFCE:Higher Education Funding Council for England) は、英国の4つの研究機関がオープンリサーチデータの協定を結んだことを発表した。協定はイングランド高等教育財政会議、英国研究会議 (RCUK: Research Councils UK)、英国大学協会 (Universities UK)、ウェルカムトラスト(Wellcome Trust) によって策定され、研究コミュニティの需要を反映した“ベスト・プラスクティス”として期待されるものである。

 

この協定は、英国の研究コミュニティのメンバーによって集められた研究データは、関係法令、倫理的観点、分野や規制の枠組みに沿って、誰でもどこでも利用できるようにするもので、必要な費用についても盛り込まれている。

 

10の基本原則には次のようなものが含まれる:
•データ技術の開発の重要性
•発表される成果の元となるデータは、その発表日までにアクセスできるようにすること
•データ作製者が、最初の利用権を有すること
•データ利用者は、元データの利用についての謝辞を記すこと

 

最初の署名者は4機関であるが、研究コミュニティ内で広く議論し、そこでの意見も盛り込んでできたものである。協定はオープンであり、今後、他機関も署名できる。

 

署名4機関のコメント

 

イングランド高等教育財政会議
オープンリサーチデータは研究のみならず、広く社会にも実質的な利益を還元しうる。オープンデータは新しい研究方法を見出し、革新的な新技術をもたらして我々の生活を向上させるサービスを届けことになる。オープンデータを完成することは簡単ではない。研究に携わる者全員に求められる責任という大きな挑戦が待ち受けうけている。協定はそれを自覚するための大事なステップであり、研究に関わる全ての者が署名することを奨励する。

 

英国研究会議
オープンデータ協定の核となる原則は、我々が助成した研究から生み出されるデータは可能な限り公開されるべきということである。どこであれ、データの利用、再利用におけるグッド・プラクティスが広まることで、研究が最大の利益をもたらし、長期的には英国、そして世界中に幸福を届けてくれることを確認できる。

 

英国大学協会
オープンリサーチデータは、我々の世界クラスの研究のインパクトを強め、社会に大きな恩恵をもたらすことができる。協定は、コストや直面する課題を理解しつつ、研究コミュニティとしての高い目標を示したことになる。大学や研究機関が協定を支持することで、英国が科学や研究の最先端であり続けることができる。

 

ウェルカムトラスト
協定は研究コミュニティにとっての原則を示すものであり、研究データは、発見を加速し、社会への貢献を最大化するためにのみアクセスし、使用することができる。重要なことは、全てのデータにアクセスすることができるわけではないということと、全ての研究者が各自の研究計画に不可欠なものとして、どのようにデータを扱い、共有するかを計画しておく必要があることを理解することである。

 

 

Higher Education Funding Council for England:Concordat on Open Research Data launched

 

【協定全文】
Higher Education Funding Council for England:Concordat on Open Research Data[PDF:177KB]

地域 西欧
イギリス
取組レベル 政府レベルでの取組、大学等研究機関レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価
その他 その他
統計、データ 統計・データ
研究支援 研究公正性