【ニュース・イギリス】オープンアクセスに関する2つの提言が発表

 
2019年2月4日、UKリサーチ・イノベーション(UKRI:UK Research and Innovation)は、政府が委託していたオープンリサーチに関する2つの独立報告書の発表を歓迎する以下のような記事を掲載した。
 
報告書の1つは英国内でのオープンアクセスに関する独立勧告書で、University of SussexのAdam Tickell学長が提出しており、英国の研究における持続可能なオープンアクセスの展望と、研究に対する公共投資額に値する価値について述べている。同学長はそのために、UKRIは、一貫的で調和の取れたUKRIのオープンアクセス政策に支えられた、オープンアクセスのための明確で英国全体にわたる目標を明らかにするため、研究界の他の指導的役割の存在と協力すべきだと勧告している。また、同学長は、UKRIが公的な金銭投入に最も大きな価値をもたらすような方法でオープンアクセスに資金を投じ、オープンアクセスの移行期間を密接に見守るために他の投資者とともに協力をすべきということも勧告している。
 
もう1つの報告書はオープンリサーチデータに関するもので、University of Warwick のPam Thomas 副学長が議長を務めるオープンリサーチタスクフォース(ORDTF:Open Research Data Task Force)によって提出された。ORDTFは英国でのオープンリサーチデータに関する目標を示しており、報告書ではデータは検索ができ、アクセスしやすく、相互に作用可能で、再利用可能であるべきとされている。報告書は、UKRIを含む各関係者によって下記の分野で段階的な措置がとられるべきとしている。
 
ORDTFの報告書が示している分野:

  • オープンリサーチデータを作成・利用するための、研究者へのより良い動機付けと障壁の除去
  • オープンリサーチデータを実現させ、また再利用なものにするための役割、責任とリソースを調整する積極的なリーダーシップ
  • データやソフトウエアの保存に関する明確な見込みを構築し、オープンリサーチデータ政策への出資者の調和を一層促進すること
  • 研究者が使いやすいサービスにアクセスできることを確実にすること
  • オープンデータサービスのための持続可能な資金供給

UKRIは、英国のオープンアクセスについてのこうした助言を、cOAlition S*への我々の参加の一環としての議論にだけではなく、現在行なわれているオープンアクセス政策の見直しに取り入れる情報としても用いる予定である。
 
*cOAlition S:欧州委員会(European Commission)と欧州研究会議(ERC:European Research Council)の支援を受けて各国の研究資金配分機関が開始した、研究発表の完全かつ速やかなオープンアクセス化のための取り組み。
 
UKRI:UKRI welcomes publication of open research reports(リンクあり)

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