【ニュース・イギリス】オンライン調査:Horizon Europeの最も好ましいパートナー上位にスイス、英国、ノルウェー及びカナダ

 
 2020年10月13日、Science Businessのオンライン調査によると、Horizon Europeの最も好ましいEU非加盟国のパートナーはスイス、英国、
ノルウェーそしてカナダであったことがわかった。

 
 2020年8月18日から9月24日に行われ、502名が回答したオンライン調査では、72%が、スイスを2021年1月1日から開始する新たな研究開発
プログラムHorizon Europeの非EU加盟国パートナーとして継続するべきと答えた。またほぼ同数の71%が、EU全体からは離脱するが、英国は
このプログラムには留まるべきだと答えた。すでにパートナーであるノルウェーは64%で3番目となった。一方新たなHorizonメンバーになる
国のランキングで1位になったカナダは43%だった。

 
 何年もの間、EUは非EU加盟国が研究プロジェクトに参加することを可能としており、スイス、ノルウェー、イスラエルを含む16の準加盟国が
存在している(38%は継続的な参加を支持しているが、厳密には承認されていない。)。このような国の研究者はEUの研究者と対等に研究費に
応募ができるよう、各国の経済規模を考慮に入れた複雑な公式に基づき算出される額をEUに納めている。

 
 Horizon Europeのために、欧州委員会は方式を変更し、より豊かで科学的に強い国々、例えばカナダ、日本、韓国、オーストラリアそして
ニュージーランドなどをパートナーにすることを提案している。つまり、科学的に強い国と提携することで、世界だけでなくEUにも利益を
もたらすことになる。

 
 しかし、政治は話を複雑にすることを証明している。英国のEU離脱や予算を巡る戦いのため、欧州委員会は、非EU加盟国との真剣な交渉
を何か月も保留にしている。EU加盟国で特に東ヨーロッパの国々は、新参加国が研究費を自国の研究者から奪うのではないかと心配している。
また、参加の条件はまだ不明瞭なままである。欧州委員会は、公平な出入金のバランスにすべきとしか言っておらず、実際どのようにそれが機能
するのかの説明がない。2018年から始まるこの曖昧さは、潜在的な参加者である国に二の足を踏ませ始めている。

 
 この不確実性は、オンライン調査参加者のコメントからもわかる。ある者は、英国も含めて非EU加盟国との取引は、その国が貢献する場合
のみで、研究資金の応募について、当該自国の公募に我々も参加することを可能とするべきだとコメントした。また他の者は、パートナーと
なり得るのは金銭的に貢献するとともに、セキュリティに関する公募を除き、EUの価値や原則を共有する国々であるとコメントした。

 
 また、他の者は地政学的な内容についてコメントし、「米国や中国に負けない第三の世界科学センターを形成するため、パートナーが必要と
される。」とした。調査では、ちょうど22%が米国の参加を認めるべきとし、12%は中国の参加を認めるべきと答えている。実際に、米国当局は
参加の可能性はないと答えている。中国は自国の資金によるHorizonプロジェクトへの参加を推し進めているが、Horizonの法律案では、EUの
民主的主義的な価値観を共有しない国々の参加を除外している。ロシアに関してはわずか7%が参加を認めるべきと考えていた。
 


Science Business: Science|Business survey: Swiss, Brits, Norwegians and Canadians top list of Horizon wannabes

地域 西欧
イギリス
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価
大学・研究機関の基本的役割 研究
国際交流 国際化
統計、データ 統計・データ