【ニュース・イギリス】オンラインで単位を取得して授業料を節約

5月26日、BBCは、英国のオンライン大学ネットワークによる、部分的にオンラインで学ぶことで授業料を節約しながらラッセルグループ大学の学位が取得できる“画期的”な計画を報じた。

 

フューチャーラーン・オンラインコース(Futurelearn online course)は、リーズ大学の学士号取得に必要な単位が取れるコースの開設を発表した。これは、学位取得にかかる時間と費用を削減できることを意味する。フューチャーラーン・オンラインコースの学長であるPeter Horrocks氏は、この講座は多くの学生が必要とする柔軟性を提供することになる、と述べた。

 

オンライン講座のプラットフォームは、2013年にオープン大学(Open University)が、いわゆるMoocs (誰もが無料で受講できるインターネットの講義)として立ち上げたもので、今では50以上の大学が講座を提供している。

 

フューチャーラーン・オンラインコースは370万人の登録者があり、Horrocks氏は“この新しい計画はまさに重要な一歩である”と述べた。

 

リーズ大学の“地球環境課題”というオンラインのコースを受講し、試験で及第点を取れば、リーズ大学の地学の学位に必要な単位を取得できることになる。この方法で学位を取得する場合、学生は£545を払うが、通常の授業料と比べると£750の節約となる。

 

この講座は今年9月から10単位が開設され、1年で120単位が取得可能である。

 

オープン大学の学長でもあるHorrocks氏は “これは、より柔軟な学位システムに向けた重要な動きであり、大学の講座を費用的にも時間的にもより効率のよいものにするものだ。また、最近政府が発表した高等教育白書の中で求められた、より柔軟で競争力のある学位課程の提供に応えるものである。”と述べている。

 

リーズ大学との提携に続き、今後他の多くの大学との提携も期待される。

 

さらに、同氏は次のように述べた。“この新しいコースは‘真に質の高く信頼できる’学位獲得のための代替手段として、多くのパートタイム学生の資格取得に役立つ。大学3年制の従来のシステムはなくならないだろうが、多くの人は従来の方法を古い、融通のきかない、閉鎖した環境であると感じるであろう。

 

大学はオンラインコースを研究と学問の幅を広げる一手段としてみるべきである。もし何か素晴らしいアイディアがあるのであれば、このオープンプラットフォームに参加すべきだ。そこでの学びは、社会的、文化的、経済的な利益の創出につながる。” 

 

フューチャーラーンの最高責任者である、Simon Nelson氏は“オンライン学習の技術と質は急速に進化しており、デジタル技術が教育に与える影響も加速している。大学はデジタル戦略の構想をより早急に進めるべきである。”と述べた。

 

リーズ大学のデジタル学習局長である、Neil Morris氏は“これは高等教育の選択肢を広げるための第一歩であり、学生により自分にあった学習方法を与えることになる。”と述べた。

 

BBC News:Online degree units to cut tuition fees

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イギリス
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