2016年11月22日付けガーディアン紙によると、ウェールズの学生補助金の全面見直しに伴い、貧困家庭出身の学生は大学の授業料全額補助の代わりに、生活補助と学生ローンを組み合わせて年間最高£11,000を受け取ることになる。
ウェールズのKirsty Williams教育大臣は、現行の£5,100の学費補助制度を廃止し、その代わりに2018年9月から、学生の家族の収入額に基づき、資産調査による給付と学生ローンを組み合わせて援助することを発表した。
Williams大臣は“我々は英国のどこよりも手厚く漸新な制度を導入する。フルタイムの学生だけでなくパートタイムや大学院の学生の支援においても一貫性のある、漸新で公平な英国初のシステムを実施することを誇らしく思う。”と述べた。
新制度はウェールズ在住の学生だけに適用され、家族の年収が£18,000未満、または、すでに£8,000までの生活補助を受けている学生が対象である。これは今年9月に発表された学生補助金に関する勧告を大筋で受けいれたもので、現行制度ではウェールズの学生を£9,000の授業料負担からは守ってはいるが、貧困家庭の学生への直接的な支援にはなっていない、との指摘がなされていた。
現行の授業料全面補助の制度はウェールズの全学生が対象で、ウェールズ以外の英国の大学に進学する者にも適応されており、ウェールズ政府の負担は£2億5,000万である。
ウェールズ政府は、ウェールズの約70%の学生が資産調査に基づく給付の対象となり、給付額は収入額に応じて調整されるが、給付を受け得る最高収入額は£59,000と見積もっている。全ての学生は家族の収入額に関係なく£1,000の生活補助金を受け取り、補助金とローンに加算できる。ロンドンの大学に入る場合25%多く支給され、貧困家庭の学生は最高で£11,000の助成を受けられる。
“大学に進学するかどうかは学力が決めるべきで、学生の環境ではない。ウェールズの学生は生活費不足が大学入学を諦める原因であると常に耳にしてきたが、今後は生活費のサポートが受けられることになる。”とWilliams氏は述べた。
この制度はアバディーン大学学長であるIan Diamond教授がウェールズ政府の委託により取りまとめた“Diamond Review”に基づくものである。
The Guardian:Wales unveils means-tested university grants of up to £11,000 a year