2015年3月12日、イングランド高等教育財政会議(HEFCE)等の高等教育財政会議、英国研究会議(RCUK)、ビジネス・イノベーション・技能省(BIS)などが共同で構成する「財政の持続可能性に関する戦略委員会(Financial Sustainability Strategy Group: FSSG)」がイングランドの高等教育における学習と教育の持続可能性に関する報告書を発表した。
本報告書は、前回2008年12月の報告書からどのような進展を見せたかについて述べられており、また学習と教育の持続可能性に関する現時点での問題やリスクを指摘し、各高等教育機関や関連機関のそれらに対する認識を高めることが目的である。総選挙が間近に迫っているため、次期政権に対する高等教育財政方針に関する要請も含まれている。報告書は、偏りをなくすため13の高等教育機関と関連機関の分析に拠っている。
報告書のポイントは以下の通り。
・2008年以来、各機関は正しい方向性で努力しており、学生の学習環境は改善傾向にある。しかしながら、2012年の学費上限値上げの影響はまだ全貌が明らかになっていない可能性があるため引き続き注視していく必要がある。
・大学は効果的な管理運営を行っており、短期的には財政状況は良好であると言えるが、競争はますます厳しくなっており、今後財政状況がどうなっていくのかについて現時点で判断するのは早計である。
・2008年以来大学を取り巻く状況は激変しており、新しいタイプのリスクや全く異なった形での挑戦課題などが見られるため、同じやり方を改善していく、というだけでは持続可能性の保障につながらない可能性がある。
URL1: http://www.hefce.ac.uk/news/newsarchive/2015/Name,102249,en.html