【ニュース・アメリカ・カナダ】建国150周年記念でカナダ政府が国内大学に7年間招聘する海外研究者24人のうち、13人は米国を研究拠点とする研究者

 
カナダ政府は2018年3月29日、建国150周年を記念し、優秀な海外研究者をカナダ大学に招聘して学術職を7年間提供する「カナダ150研究職(Canada 150 Research Chairs)」プログラムの下で選出した、24人の研究者を発表した。
 
これら研究者のうち、ウォータールー大学(University of Waterloo、カナダ)数理生物学・医学研究職に選出されたデューク大学数学教授のアニタ・レイトン氏(Anita Layton)を含む13人は、ハーバード大学(Harvard University、マサチューセッツ州)やジョンズホプキンス大学(Johns Hopkins University、メリーランド州)などといった米国大学を研究拠点とする研究者で、それ以外は、オーストラリア・オーストリア・英国・ニュージーランド・南アフリカを研究拠点とする研究者となっている。
 
また、選出された研究者の42%はカナダ国外在住のカナダ国籍保有者で、全体の58%は女性であった。レイトン氏は、「カナダ150研究職」に応募した理由として、カナダ国籍保有者であることに加え、研究環境の良さ、多様性を促進する首相の存在、そして、米国で多発する銃事件への懸念などを挙げている。
 
一方、ブリティッシュコロンビア大学(University of British Columbia、カナダ)コンピュータシステム研究職に選出されたハーバード大学コンピュータ科学教授のマーゴ・セルツァー氏(Margo Seltzer)は、厳格化する米国移民政策のために米国に入国できない大学院生がカナダに留学する可能性があることから、カナダでの研究機会は十分あると考えたほか、カナダの開放性に共感したことを理由として挙げている。
 
これらの研究者に対しては、年間35万カナダドル(約27万1,600ドル)もしくは100万カナダドル(約77万6,000ドル)がカナダ政府から支給される。
 
なお、「カナダ150研究職」プログラム以外でも、フランス政府が気候科学者に助成を支給する「メイク・アワ・プラネット・グレイト・アゲイン(Make Our Planet Great Again)」プログラムの下で、18人の研究者が選出されているが、このうち13人は米国を研究拠点としていた研究者で、同プログラムの下でフランスに移住している。
 
「カナダ150研究職」に選出された研究者のリストは、「Canada 150 Research Chairholders」で閲覧可能。

 

2018年3月30日
 
Inside Higher ED:Poaching Talent From U.S.

 

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