連邦政府が助成する気候研究を監督する米国地球変動研究プログラム（U.S. Global Change Research Program：USGCRP）は2017年1月9日、2021年までの研究ロードマップを設定した報告書「米国地球変動研究計画2012年～2021年：3年毎の更新（National Global Change Research Plan 2012–2021：A Triennial Update.）」を連邦議会に提出した。本報告書は、気候研究は賛否両論のある分野であることを認めた上で、地球工学研究2分野における研究を提案している。また、研究者が短期的に実施できるステップとして、観測規模及び範囲を特定し、更なる現場実験を必要とする信号を検知するために必要な地球工学技術機能のモデリングを実施することとしている。さらには、気候介入は、温室効果ガス排出量の削減や気候変動への適用の代役となることはできないが、将来的に気候変動管理において利用可能なツールの1つとなる可能性があるとしている。USGCRPは、連邦省庁13省庁において気候変動に関する報告書作成及び気候研究調整を行っているが、現時点で地球工学研究に対する支持を表明している省庁はない。

なお、本報告書は、以下よりダウンロード可能。
U.S. Global Change Research Program：The National Global Change Research Plan 2012-2021: A Triennial Update［PDF:13.06MB］

Science：U.S. should pursue controversial geoengineering research, federal scientists say for first time