ピュー研究センター(Pew Research Center)は2018年1月9日、全米のSTEM(Science, Technology, Engineering, and Mathematics)関連職就労者を対象として実施した調査結果を発表した。本調査は、18歳以上の成人4,914人(うちSTEM関連職就労者2,344人)を対象として2017年7月~8月に実施されたもので、これによると、STEM関連の職場においては女性が差別及び性的嫌がらせを受ける頻度が男性よりも高く、特に、
- ①男性従業員数が女性従業員数を圧倒的に上回るSTEM関連の職場に勤務する女性、
- ②コンピューター関連職に就く女性、
- ③大学院卒業学位を保有するSTEM分野に就労する女性、
の3つのグループが職場における不平等を経験していることが明らかにされた。
主な結果は以下の通り。
- STEM関連職に就く女性は、非STEM関連職に就く女性と比較して、職場における差別を経験する割合が高い(50%対41%)。
- STEM関連職に就く黒人従業員は、他の人種・民族のSTEM関連職就労者と比較して人種差別を経験する割合が高く(62%対アジア系44%/ヒスパニック系42%/白人13%)、非SYEM関連職に就く黒人よりも高い(62%対50%)。
- 性別による主要な差別は、業務内容の同じ男性従業員よりも低収入(29%)、能力不足の者のような待遇(29%)、職場で繰り返される軽視(20%)、同じ業務に対する上司からの支援が男性従業員よりも少ない(18%)など。
- STEM関連職に就く女性の55%は女性が過半数の職場に勤務し、従業員数が男女ほぼ同数の職場に勤務する女性が25%。男性が過半数の職場に勤務する女性は全体の19%で、そのうち78%は職場で性差別を経験し、女性が過半数・男女同数の職場に勤務する女性の性差別経験者(44%)を上回る。
- 男性が過半数の職場で働く女性STEM関連職就労者の48%は、女性であることが仕事上の成功を困難にしていると回答し、女性が過半数・男女同数の職場に勤務する女性(14%)を上回る。
- コンピューター関連職に就く女性の約74%は性差別を経験。
- 女性の22%は職場で性的嫌がらせを経験し、男性(7%)を上回る。
2018年1月9日
Pew Research Center:Women and Men in STEM Often at Odds Over Workplace Equity