【ニュース・アメリカ】PCAST、刑事裁判における犯罪科学に関する大統領への報告書を発表

大統領科学技術諮問委員会(President’s Council of Advisors on Science and Technology:PCAST)は2016年9月20日、大統領への最新報告書「刑事裁判における犯罪科学 ~特徴比較法の科学的有効性の確保(Forensic Science in Criminal Courts: Ensuring Scientific Validity of Feature-Comparison Methods)」を発表した。本研究報告書は、犯罪科学の現状に関する2009年の米国学術研究会議(National Research Council)の報告書に基づき、政府が既に行っている以上の科学的措置があるか否かに関し、2015年に大統領がPCASTに質問したことに対する回答として作成されたものである。PCASTは、①犯罪科学手段の有効性及び信頼性に関する科学的基準の明確化の必要性と、②有効且つ信頼性のある手段として科学的に構築されたものであるか否かを見極めることを目的とした特定の犯罪科学手段の評価の必要性の2点を指摘している。本研究は、特に、DNAサンプル、歯形、指紋、銃痕、足型、毛髪などを比較する特徴比較法におけるギャップを埋めることを目的として1年間をかけて行われ、2,000本以上の論文を検証した結果をまとめたものである。同報告書は、司法システムにおける科学的有効性の役割を考察し、犯罪科学手段の科学的有効性が判定可能な基準を説明すると共に、同基準を犯罪科学特徴比較法に応用し、連邦政府に対して犯罪科学強化のために取るべき対策を提案している。主要な提案事項は以下の通り。

  • 犯罪科学における特徴照合技術の科学的有効性に関し、米国標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology:NIST)が評価。また、主要な特徴比較法であるDNA分析、指紋分析、及び、銃痕分析の改革をNISTが主導。
  • 米国犯罪科学研究開発戦略を大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy:OSTP)が策定。
  • 犯罪科学向上のために、連邦捜査局(Federal Bureau of Investigation:FBI)研究所が研究プログラムを実施。

なお、本報告書は、以下よりダウンロード可能。
The White House:Forensic Science in Criminal Courts: Ensuring Scientific Validity of Feature-Comparison Methods[PDF:1.77MB]

 

The White House:PCAST Releases Report on Forensic Science in Criminal Courts

地域 北米
アメリカ
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