大統領府科学技術政策局（White House Office of Science and Technology Policy：OSTP）は2016年12月5日、連邦省庁及び民間セクタのステークホルダーとの協力の下で、長期に亘る健全且つ持続可能な土壌利用に向けた行動計画を発表した。今回発表された行動計画は、土地管理者及び農業従事者が、土地の管理を行い、食料安全保障・気候変動緩和・生態系サービス・公衆衛生を支援する能力を維持するために、土壌に関する科学的理解を向上させることを目指したもので、「学生的研究・教育の促進」「コンピュータ・ツール及びモデリングの進歩」「サステナブルな農業事業の拡大」の3つの主要領域に重点を置いている。また、OSTPは、大学・企業・非営利団体・農業コミュニティのステークホルダー約80組織からのインプットに基づき、連邦省庁15機関以上が関与する米国科学技術委員会（National Science and Technology Council）土壌科学省庁間作業部会（Soil Science Interagency Working Group：SSIWG）が作成した、土壌科学に関する連邦戦略計画のための枠組み「米国の土壌の現状と未来（The State and Future of U.S. Soils）」を発表した。本枠組みは、①土地利用及び土地被覆の変化、②持続不可能な土地管理事業、③気候・環境変動、の3分野における課題と機会を特定している他、連邦政府の今後の科学技術関連の取り組みのための優先事項を列挙している。さらには、エネルギー省（Department of Energy）や農務省（Department of Agriculture）を含む一部の省庁は、研究及び保全のためのイニシアティブを拡大し、戦略計画策定を支援することになる。

なお、本枠組みは、以下よりダウンロード可能で、2017年1月10日までパブコメの受付が行われている。
National Science and Technology Council：Framework for a Federal Strategic Plan for Soil Science［PDF:424.16KB］

The White House：FACT SHEET: The Obama Administration Announces New Steps to Advance Soil Sustainability