【ニュース・アメリカ】OERを利用したコミュニティカレッジでの学位取得プログラム、学生がより積極的に教材を活用する傾向

学生の成功を目的とした非政府改革ムーブメントのアチービング・ザ・ドリーム(Achieving the Dream:ATD)は2017年6月22日、オープン教育リソース(open educational resources:OER)を利用したコミュニティカレッジにおける学位取得プログラムに関する調査報告書「OERによる学位取得経路の立ち上げ~アチービング・ザ・ドリームのOER学位取得イニシアティブ及び新しい授業に関する初期段階での寸評~(Launching OER Degree Pathways:An Early Snapshot of Achieving the Dream’s OER Degree Initiative and Emerging Lessons)」を発表した。

 

これによると、OER学位取得イニシアティブに参加する大学の教員は、指導法を変更し、その結果、OERを利用する講座を受講した学生は、OERを利用しない講座の学生よりも、教材を積極的に活用することが明らかにされた。具体的には、同調査に参加した大学教員の84%が、OER教材を使用する講座の受講生は、従来の教材を使用する講座の受講生と比較して、同程度もしくはそれ以上に積極的に教材を活用していると回答した。また、OERを利用し、授業内容を考える上で大学の技術専門家及び図書館司書から支援を受けた教員の大半は、指導内容を変更しており、また、OERを利用した教員の71%は、OERの利用を同僚教員に進める可能性が高いと回答している。それ以外の主な結果や提案事項は以下の通り。

  • OERの利用は、教員個人の関心や過去にOERを利用した経験に基づいている。
  • 教員による教材選択の決定要因の上位3位は、教材の質、学生の財政的負担、総合的な内容・活動の3つで、中でも教材の質を最重要視。
  • 教員が指摘するOERイニシアティブの主要な長所の第1位は経費削減。
  • 教員による関与やプログラム開発に関連する障壁などの課題に対処するために、研修・支援などへの時間・資金の投入、学生の関与、教員に対するインセンティブ、OERによる学位取得に関する広範的・長期的展望の伝達、教職員間での協力の促進、教員以外の職員への研修などを提案。

Achieving the Dream:After one year, largest initiative to promote the use of open educational resources for degree completion finds robust course development, strong faculty support, and broad-based leadership for OER use.

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育