2017年5月23日午後3時~4時、米国科学財団(National Science Foundation:NSF)にて、NSFの2018年度の予算案に関する概要説明会が行われた。
冒頭、NSFの紹介VTRが流された後、コルドバ長官から予算要求に関するプレゼンテーションが行われた。概要は以下の通り。
- 2018年度(2018年10月~2019年9月)におけるNSFの予算要求額は66億5千万ドル。
- 2016年度の予算額と比べて8億4,098万ドルの減額であり、11.2%の削減となる。
- この予算において、約8,000件の新たな研究助成を行うこととなり、助成率(NSFに提出されたプロポーザルのうち、実際に助成される割合)は19%である。(FY2016は、約8,800件、助成率21%であった。)
- この予算案において、NSFはNSFの設立当初から課されている2つのミッション(科学の発展の促進及び国民の健康、繁栄、福祉の向上)を達成するべく活動する。
- 2016年に開始した10項目の科学技術に関する未研究分野等に対する長期的支援(Big Ideas)を継続する。
- 今日の分野横断的課題の解決のため、関係機関、産業界、官界を含めた広いパートナーシップを強化する。
- 主要な研究施設及び設備(DKIST(ダニエル・K・イノウエ太陽望遠鏡)、大型シノプティック・サーベイ望遠鏡(LSST))の建設を継続する。また、新たに3つのリージョナルクラス調査船(RCRV)の建設を開始する。
- また、レーザー干渉計重力波観測所(LIGO)、アルマ望遠鏡における研究支援、次世代サイバーセキュリティ人材育成のためのサイバーインフラの充実に向けた支援を継続する。
- アメリカ経済の発展、国家の安全、グローバル社会におけるリーダーシップ強化、よりよい医療、そして子供たちのよき成長のため、すべての分野の基礎研究への支援を強力に推進する。
その後、質疑応答が行われた。主なやり取りは以下の通り。
- この予算要求(減額)についてどのようにとらえているか。
―この予算はNSFとしての目標を達成するにおいて、しっかりとした(solid)予算と考えている。
- (個別の研究テーマに対して)新予算ではどのような支援となるか。減額の影響は。
―ひとつの課題、研究分野に対しても様々な支援のアプローチがあり、NSFではすでに様々なプログラムを実施しているので、新予算化における具体的なプログラムの在り方は今後、各部門の理事会において調整されるものと思う。
National Science Foundation:FY 2018 Budget Request to Congress