米国科学財団(National Science Foundation:NSF)と農務省(Department of Agriculture:USDA)の国立食品・農業研究所(National Institute of Food and Agriculture:NIFA)は2017年7月19日、NSFの統合生物システム(Integrative Organismal Systems:IOS)部門とNIFAが共同運営する植物生物相互作用(Plant Biotic Interactions:PBI)プログラムの下で、環境下における植物、微生物、及び、その他の有機物の間での関係に関する研究を支援するために、研究プロジェクト27件に対して総額1,800万ドル超を助成することを明らかにした。
NSF生物科学局(Directorate for Biological Sciences:BIO)ディレクター補佐のジェームズ・オールズ(James Olds)氏は、PBIプログラムは政府資金の有意義な利用と省庁間協力の良い例で、NSFが支援する基礎研究とNIFAが支援する応用研究が作物のアウトカム改善に繋げることになるとコメントした。
今回選出されたプロジェクトは、
- 海岸沿いの砂丘維持のために不可欠な、砂浜・砂丘に生息する草の健全性を微生物コミュニティが促進する仕組みの特定
- 原菌が、トマト・綿花・スイカ・バナナなどといった作物を茎に付いたまま枯らせる仕組みの解明
- 植物が病原菌を認識し、その働きを停止させる仕組みの明確化
- 植物が受粉の際に違う植物の花粉と自分の花粉とを識別する仕組みの検証
などに取り組むことになる。また、研究コミュニティの基本的知識を深め、農業アウトカムを改善するために必要な情報を供給することを目的として、植物を含む生物相互作用の分子・ゲノム・代謝・細胞力学の概要を明らかにする。
National Science Foundation:New NSF, USDA awards focus on relationships that benefit, harm plants