【ニュース・アメリカ】NSF、NSFに出向する大学教員の給与の10%を大学が負担するよう規則を改定

米国科学財団(National Science Foundation:NSF)は2016年10月21日、NSFに一時的に勤務する大学教員に関し、給与の10%を所属大学が負担することを決定した。NSFは、この新方針により、学術コミュニティを遠ざけることなく、税金の使用を節約するとのコミットメントを実証することになることを望んでいるが、大学教員に対する交通費やコンサルティング業務収入喪失に対する補助金なども縮小されることから、才能ある大学教員にとってのNSF出向の魅力が縮小される可能性も考えられる。今回発表された新たな規則は、NSFの研究ポートフォリオ管理支援を目的としたNSFでの勤務期間が4年以内の学術研究者を対象としたもので、該当する研究者は、科学分野での人材の28%、全体の12%を占めるという。これらの研究者には、その専門性の高さから、同じ職務に就く連邦職員の年収を3万6,500ドル上回る給与が支給されており、同規則の目的の1つは給与負担の軽減にある。但し、それだけではなく、コンサルティング業務収入喪失に対する補助金支給の停止と、出張時の交通費払い戻しが年間12回までに限定という内容も新規則には加えられている。大学との給与の共同負担に関しては、これまでも当該研究者の給与及び福利厚生費の15%を大学に負担することを要請していたが、強制的ではなく、大半の大学による実質負担は約5%であった。この決定に対し、大学側は受容的な態度を示しているが、研究者個人・NSF・大学の3者がいずれも利益を受ける取組みであることから、今回の決定が今後与える影響に対する懸念も表明されている。

 

Science:To save money, NSF requires university cost-sharing for rotators

地域 北米
アメリカ
取組レベル 政府レベルでの取組
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