米国科学財団（National Science Foundation：NSF）は10月8日、人工知能（AI）分野における研究を大幅に進歩させ、AIを利用した革新的イノベーションの開発を加速させるプログラム「米国人工知能研究所（National Artificial Intelligence Research Institutes）」の立ち上げを発表した。
本プログラムは、計画実施と、最高6研究機関立ち上げに向けて助成約1億2,000万ドルを2020年に拠出することで、AI研究を進歩させ、大学・連邦省庁・企業・非営利機関を繋げる場を作り出すことを目指している。
NSFが主導する同プログラムは、米国食品農業研究所（National Institute of Food and Agriculture）、国土安全保障省（Department of Homeland Security）科学技術局（Science & Technology Directorate）、運輸省（Department of Transportation）連邦道路管理局（Federal Highway Administration）、及び、退役軍人省（Department of Veterans Affairs）とのパートナーシップの下で進められる。
また、「計画トラック」と「研究機関トラック」に分かれており、計画トラックでは、研究所における本格的運用に向けた共同計画・能力の開発を支援するために、最高2年間に亘り50万ドルを助成する。
一方、研究機関トラックでは、AI研究所設立に向け、4～5年間に亘り1,600万～2,000万ドルの協力協定締結を支援する。AI研究所における最初の優先領域は、
- AIの信頼性
- 機械学習の基礎
- 農業・食品システムにおけるAI主導型イノベーション
- AI増補学習
- 分子合成・製造加速のためのAI
- 物理学における発見のためのAI
の6領域で、学際的且つ複数のステークホルダーが関与する、大規模且つ長期間のAI研究を支援することになる。
なお、米国AI研究所プログラムへの助成申請提出期限は、研究機関提案書が2020年1月28日、計画助成提案書が同1月30日に設定されている。
National Science Foundation: NSF leads federal partners in accelerating the development of transformational, AI-powered innovation
