【ニュース・アメリカ】NSF、2019年度大統領予算案におけるNSF予算要求に関する詳細情報を発表

 
米国科学財団(National Science Foundation:NSF)は2018年2月28日、トランプ政権が2月12日に発表した2019年度大統領予算要求におけるNSF予算要求に関する詳細情報を発表した。
 
2019年度NSF予算要求総額は約74億7,000万ドルで、議会が承認した2017年度予算レベルをほぼ維持することになる。また、NSFは、製造・国防・サイバーセキュリティの成長などといった、国家の優先事項を進歩させるための研究活動に対する支援を継続しながら、「将来の投資に向けた10のビッグアイデア(10 Big Ideas for Future Investments)」の促進にも取り組むことになる。特に2019年度は、複数の科学工学分野を統合し、企業・民間財団・他の連邦省庁・教育セクタなどと提携する機会を創出するような、優先度の高い分野に資金を提供することになる。
 
具体的には、ビッグアイデア受託責任資金提供モデル(Big Ideas Stewardship Funding Model)を通して、

  1. データ革命の利用(Harnessing the Data Revolution:HDR)、
  2. 人間技術フロンティアにおける仕事の未来(The Future of Work at the Human Technology Frontier:FW-HTF)、
  3. 宇宙の窓:複数のメッセンジャーを持つ天体物理学の時代(Windows on the Universe (WoU): The Era of Multi-messenger Astrophysics)、
  4. 量子飛躍:次期量子革命の主導(The Quantum Leap (QL): Leading the Next Quantum Revolution)、
  5. 生命のルールの理解:表現型の予測(Understanding the Rules of Life (URoL): Predicting Phenotype)、
  6. 新しい北極圏のナビゲート(Navigating the New Arctic:NNA)、

の6分野の研究において重視するビッグアイデア(6 Research Idea)に対してそれぞれ3,000万ドル、総額1億8,000万ドルを割り当てることになる。
 
それ以外では、

  1. 「科学のための南極インフラ最新化(The Antarctic Infrastructure Modernization for Science:AIMS)」の下で、建設プロジェクトに1億370万ドルを割当、
  2. サイバーセキュリティ研究に1億6,060万ドルを割当、
  3. 技術の発見と商業化の橋渡しをする「NSFイノベーションコア(NSF Innovation Corps:I-Corps)」に3,000万ドルを割当、
  4. サイバーセキュリティ教育・研究を支援する「サイバーコア:任務のための奨学金(CyberCorps: Scholarship for Service)」に5,500万ドルを割当、

などが特徴的である。
 
大学院生に対するフェローシップ(Graduate Students Research Fellowship Program:GRFP)の新規採用予定者数は2,000人から1,500人に減少している。
 
なお、2019年度大統領予算要求におけるNSF予算要求に関する詳細は、「FY 2019 Budget Request to Congress」で閲覧可能。

 

2018年2月28日
 
National Science Foundation:NSF Fiscal Year 2019 budget to advance innovation, infrastructure

 

2019年度大統領予算要求の全体像については、以下記事においても概説している。
 
【ニュース・アメリカ】2019会計年度に向けた大統領予算教書が発表される―与野党合意による追加支出案を受けてNSFの要求額は2017会計年度と同額に回復
 

地域 北米
アメリカ
取組レベル 政府レベルでの取組
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