米国科学財団（National Science Foundation：NSF）は、分子・細胞レベルでの生物工学の進歩のために、遺伝子活動・発現の法則の特性化と、DNA配列を変更せずにこれらのプロセスを修正する手段の創出を目的とした研究チーム8組に対して、「クロマチン・後成的工学（Chromatin and Epigenetic Engineering：CEE）」助成総額1,600万ドルを支給することを明らかにした。本助成受給研究者は、遺伝子発現後の後成的メカニズムと特性が有機体の機能に与える影響に関し、研究・操作・モデル作成のためのツールを作成する。

同助成は、NSF工学局（Directorate for Engineering）の「研究・イノベーションにおける新興フロンティア（Emerging Frontiers in Research and Innovation：EFRI）」プログラムと、生物科学局（Biological Sciences Directorate：BIO）及び数理・物理科学局（Mathematical and Physical Sciences Directorate：MPS）から拠出され、NSFの「ビッグアイデア」10件の中の「生命の規則の理解：表現型の予測」に関連するものとなる。

今回選出された研究プロジェクトには、デューク大学（Duke University、ノースカロライナ州）が主導する「クロマチン構造と遺伝子制御との間での偶発的関係を判断する工学技術」などが含まれる。

2018年9月12日

National Science Foundation：Engineering biology through DNA’s environment