【ニュース・アメリカ】NSF、国際研究協力の開放性と安全保障を両立させる取り組みの一環として独立機関が作成した報告書を発表

 

 米国科学財団(National Science Foundation:NSF)は12月11日、国際研究協力に関し、オープンでありながら安全保障を守るための取り組みの一環として、独立科学諮問グループ「ジェイソン(JASON)」が作成した報告書「基本的研究安全保障(Fundamental Research Security)」を発表した。

 
 本報告書は、科学的倫理の原則違反や研究公正性の問題などを含む、外国政府による基礎研究に対する脅威に関し、NSFがさらに理解を深めるために作成されたもので、今後NSFは、同報告書が提示した結果及び提案事項の分析を開始することになる。

 
 また、大統領府科学技術政策局(White House Office of Science and Technology Policy:OSTP)のケルビン・ドローゲマイヤー(Kelvin Droegemeier)長官は、本報告書に関し、米国研究機関の公正性及び安全保障を強化するために、強固且つ協力的なアプローチの必要性を強調したものとコメントしている。本報告書が指摘する主な課題は以下の通り。

  • 米国における外国人の科学的才能の価値及び必要性。
  • 基礎研究の公開性・透明性・国際共同研究可能性に対する新たな規制制定による顕著な悪影響。
  • 研究公正性に関する考え方を、誓約及び利益相反の可能性の開示を含むように拡大する必要性。
  • 共同研究の開放性と、STEM分野で働く人材獲得における世界競争力を維持しながら、基礎研究における米国の利益を保護する最善策に関し、学界、学術研究機関と米国政府との間で共通理解を保有する必要性。

 
なお、本報告書は、こちらからダウンロード可能。


National Science Foundation:
Open international research collaboration essential, must have safeguards, independent report finds
 

12月11日

地域 北米
アメリカ
取組レベル 政府レベルでの取組
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