2018年8月9日、米国科学財団（National Science Foundation：NSF）は国際的人材活用機会の探求・振興を目的とする、第1回目の「研究ミッションにおける国際的専門家活用によるインパクト拡大（MULTIPlying Impact Leveraging International Expertise in Research Missions：MULTIPLIER）」短期調査旅行を完了したことを明らかにした。

「MULTIPLIER」は、急速に変化する世界におけるイノベーションへの対応策として2018年度に立ち上げられ、NSFの専門家を海外の特定地域に派遣し、科学工学共同研究機会を探索するという新規プログラムで、米国の繁栄・安全保障・健康に利益をもたらす可能性があり、顕著な進歩の見られる科学・工学研究分野に重点が置かれている。NSFは同プログラムを通して、海外の合成生物学者・エンジニア・物理学者・コンピュータ科学者らと共に、科学アウトリーチ・現地協力・直接的関与などを行う柔軟性を見極め、第1回調査の結果を検証して今後の研究助成に反映させる可能性があるとしている。

今回行われた「MULTIPLIER」調査旅行は、欧州の研究機関における合成バイオ研究に重点が置かれ、当該分野の専門家で編成されたNSFチームが、英国及びドイツにおける会議への参加及び研究機関の訪問を通して、研究の進歩について学ぶと共に、共同研究の可能性のある領域を特定した。

National Science Foundation：NSF international MULTIPLIER program completes first expedition