米国科学財団（National Science Foundation：NSF）は2017年8月10日、マイクロシステム生物学・初期米国生態系観測ネットワーク科学（MacroSystems Biology and Early NEON （National Ecological Observatory Network）Science）プログラムの下で、研究プロジェクト10件に総額1,220万ドルを助成することを明らかにした。

本助成は、生物季節学・気候・土地利用の変化が生態系に与える影響に関する検知・理解・予測を向上させ、環境へのフィードバックを予測するための研究を支援することになる。本助成は、幅広い実用的な疑問に関する研究を支援しており、助成受給プロジェクトには、森林の生産性管理による影響の理解を深めるためのプロジェクトや、気温・降水量・栄養などといった大陸規模での要因が陸上節足動物コミュニティを構築する仕組みを提示するプロジェクトなどが含まれる。また、一部のプロジェクトは、全米81カ所に所在し、オープンアクセスポータルを通して科学コミュニティ及び一般に標準化された生態学データを提供する米国生態系観測ネットワーク（NEON）のデータを活用する。

同プログラムの下で選出されるプロジェクトは、①マクロシステム科学研究もしくはそのための革新的訓練を支援する「フルリサーチ助成（Full Research Award：FRA）」、②キャリア初期の科学者を対象とする「初期キャリアトラック（Early Career Track：ECA）」、③NEONのサンプル及びインフラの革新的利用を可能とする「初期NEON科学トラック（Early NEON Science Track：ENS）」、のいずれかのカテゴリーに分類される。

今回選出されたプロジェクトは、
「FRA」プロジェクトが、カリー生態学研究所（Cary Institute of Ecosystem Studies、ニューヨーク州）が主導する「草の根グルーバルネットワーク科学：マクロシステムモデル」を含む5件、
「ECA」プロジェクトが、アパラチア州立大学（Appalachian State University、ノースカロライナ州）が主導する「生物多様性の可変とスケーリングの影響に関するリモートセンシング研究のためのNEONデータの活用」を含む5件で、
「ENS」プロジェクトは選出されなかった。

National Science Foundation：10 new awards support ecological research at regional to continental scales