米国科学財団（National Science Foundation：NSF）は2018年1月3日、ヒスパニック系学生を積極的に受け入れる大学（Hispanic-Serving Institution：HSI）の学士課程におけるSTEM（science, technology, engineering, and mathematics）教育強化を目的とした「ヒスパニック系学生受入大学学士課程STEM教育向上（Improving Undergraduate STEM Education： Hispanic-Serving Institutions：HSI Program）」プログラムの下で助成を受給する大学を発表した。
 
本プログラムは、HSIにおいてSTEM能力を構築することと、STEM分野専攻学生の卒業率向上の必要性を認識した連邦議会が、「2017年統合歳出法（Consolidated Appropriations Act, 2017）」及び「米国イノベーション・競争力法（American Innovation and Competitiveness Act：AICA）」の下で定めた要件に対応するために2017年に立ち上げられ、今回が同プログラムを通して支給される初の助成となる。
 
HSIプログラムは、①重要な移行、②セクタを超えたパートナーシップ、③STEM分野への参加拡大に関する研究、という主要3分野におけるプロジェクトを支援し、「能力構築（Building Capacity）」及び「NSFからの助成を受けたことがないHSI（HSIs New to NSF）」の2つのトラックでの提案書を受け付けるほか、HISのニーズを支援する「研究ハブ（Resource Hub）」1校にも助成を支給することになる。
 
2018年度のHSIプログラム助成受給大学に選出された大学は、「PROMISE：STEM教育マイノリティに対するリソースと機会の提供（PROMISE：Providing Resources and Opportunities for Minorities in STEM Education）」に取り組むラレド・コミュニティカレッジ（Laredo Community College、テキサス州）を含む合計7校である。
 
さらにNSFは、2017年度予算から、「STEM専攻のヒスパニック系学生のための経路（Pathways for Hispanic Students in STEM）」に取り組むカリフォルニア大学アーバイン校（University of California-Irvine）を含む4校に対し、同助成を支給することを明らかにした。
 
2018年1月3日
 
National Science Foundation：NSF makes first awards through Hispanic-Serving Institutions Program