【ニュース・アメリカ】NLRB、私立大学において研究・指導助手として勤務する大学院生の団体交渉権を容認

米国労働関係委員会(National Labor Relations Board:NLRB)は2016年8月23日、研究・指導助手として私立大学に勤務する大学院生が米国労働関係法(National Labor Relations Act)の下で団体交渉を行う権利を認めるとの決定を下した。公立大学大学院生自治会による団体交渉は、州法の管轄下にあり珍しいことではないが、NLRBは私立大学の大学院生自治会を監督しており、今回の決定は、コロンビア大学(Columbia University、ニューヨーク州)大学院生自治会の取組みにとっては有利となる一方で、ブラウン大学(Brown University、ロードアイランド州)で2004年から施行されている規則を覆すものとなる他、外部資金を受給する科学研究助手による団体交渉を認めないという慣例も覆すことになる。本決定に対し、米国大学教授協会(American Association of University Professors:AAUP)団体交渉会議(Collective Bargaining Congress)議長を務めるイースタンミシガン大学(Eastern Michigan University)会計学教授のハワード・バンシス氏(Howard Bunsis)は、学生職員にとっての偉大なる勝利と称賛しているのに対し、イェール大学(Yale University、コネチカット州)のピーター・サロベイ学長(Peter Salovey)は、NLRBの決定には同意しないが、大学院生の組合化について長所と短所を活発に協議する機会として捉えるとコメントしている。一方、連邦議会上院保健教育労働年金委員会(Senate Committee on Health, Education, Labor and Pensions)委員長のラマー・アレキサンダー上院議員(Lamar Alexander、テネシー州選出共和党)は、NLRBの今回の決定に関し、学生が大学に在籍する根本的な理由を完全に勘違いしているとコメントし、純粋に学生を支援する代わりに組合員を増やそうとする「恥知らずな策略」と強く批判した。

 

Inside Higher ED:NLRB: Graduate Students at Private Universities May Unionize

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
その他 その他