2018年7月24日、国立衛生研究所（National Institutes of Health：NIH）は大規模臨床試験を実施する医療ケアシステムを含むNIH医療ケアシステム（Health Care Systems：HCS）研究コラボラトリー（Research Collaboratory）の下で、新規研究5件に対し、初年度の計画フェーズ助成として総額415万ドルを助成し、その後、研究実施費として4年間に亘って3,085万ドルを助成する計画であることを明らかにした。
HCS研究コラボラトリーは、2012年にNIHコモンファンド（Common Fund）によって立ち上げられ、国立補完統合衛生センター（National Center for Complementary and Integrative Health：NCCIH）及び国立老化研究所（National Institute on Aging：NIA）が管理を行っている。HCS研究コラボラトリーは、現在、医療ケアシステムの大規模臨床試験を全米で9件支援する他、デューク大学（Duke University、ノースカロライナ州）にコラボラトリー調整センターを擁している。
今回新たに選出された研究プロジェクトは、
| ① | ニューヨーク大学（New York University）による「救急医療のための初期（プライマリ）苦痛緩和ケア」 |
| ② | イェール大学（Yale University、コネチカット州）による「救急診療部によるオピオイド使用障害のためのブプレノルフィン投与を実施する、利用者主体の臨床決定支援に関する実用的試験」 |
| ③ | ワシントン大学（University of Washington）による「小児初期診療における患者重視の予防に関する実用的試験；3つの医療システムにおける実行と青少年期の健康アウトカム～」 |
| ④ | コロラド大学（University of Colorado）による「慢性心血管系薬剤の摂取順守を改善するための個々に合わせた患者データと行動への働きかけ」 |
| ⑤ | ダナ・ファーバーがん研究所（Dana Farber Cancer Institute、マサチューセッツ州）による「腫瘍学における先進ケア計画の改善；患者の映像と臨床医コミュニケーション研修を統合した実用的クラスター無作為化試験」 |
の5件で、NIH傘下のNCCIH、NIA、国立薬物乱用研究所（National Institute on Drug Abuse：NIDA）、行動・社会科学研究局（Office of Behavioral and Social Sciences Research：OBSSR）、疾病予防局（Office of Disease Prevention：ODP）、国立心肺血液研究所（National Heart, Lung, and Blood Institute：NHLBI）の6組織が資金を拠出する。
National Institutes of Health：NIH expands program that conducts large－scale clinical trials in real－world settings
