【ニュース・アメリカ】NIH長官、NIH規則に反した研究者の一部が所属研究機関から近日中に解雇される可能性を示唆

 
国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)のフランシス・コリンズ(Francis Collins)長官は2019年4月11日、上院歳出委員会(Senate Appropriations Committee)労働・厚生・教育関連省庁小委員会(Subcommittee on Labor, Health and Human Services, Education, and Related Agencies)が開催した2020年度NIH予算案に関する公聴会に証言者として出席した後で、メディアに対し、複数の米国大学が、NIHから受給した研究助成金を外国政府によって不正に活用されることを阻止するための対策を1~2週間以内に発表する予定で、一部の研究者は解雇される可能性があると発言した。
 
本公聴会では、同小委員会委員長のロイ・ブラント(Roy Blunt)上院議員(ミズーリ州選出共和党)が、外国政府が米国の研究を盗んで活用し、組織的手段で米国研究に影響を与えていると発言して、特に中国政府を名指しした。
 
これに対し、コリンズ長官は、NIHもこの件に関して非常に懸念しており、米国大学55校以上において、NIH助成を受給する外国人科学者の調査を実施中と回答した。同長官は、2018年8月にNIH助成受給研究機関1万組織超に最初の書簡を送付して注意を喚起しており、その後、教員の解雇、退職勧告などの事例が増加していることを明らかにしたが、この対応は中国に限った訳ではないとした。
 
なお、ブラント上院議員とコリンズ長官は、NIH助成を受給する大半の外国人科学者は、規則に従って米国における研究に価値ある貢献をしていることを強調している。
 
2019年4月11日
 
Science:Universities will soon announce action against scientists who broke NIH rules, agency head says
 

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