【ニュース・アメリカ】NIH長官、2017年度のCFS研究予算を2016年度から倍増させることを約束

国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)で慢性疲労症候群(chronic fatigue syndrome:CFS)の連絡窓口となっているビッキー・ホイットモア(Vicky Whittemore)氏は、10月末に行われた国際会議において、NIHのフランシス・コリンズ(Francis Collins)長官が、2017年度のCFS研究予算として2016年度予算額760万ドルの2倍となる約1,500万ドルを確保することを約束していると参加者に伝えた。また、ホイットモア氏は、NIHでは筋痛性脳脊髄炎(myalgic encephalomyelitis:ME)・CFS研究に変化の波が押し寄せているとし、12月には、CFS基礎・応用研究のための複数の共同研究センター設立に向けて、NIH外部の科学者から提案書を募集する予定であることを明らかにした。CFS研究は、NIHから76万6,000ドルの助成を受給するコロンビア大学(Columbia University、ニューヨーク州)所属の免疫学者であるイアン・リプキン(Ian Lipkin)氏らの研究を含め、複数の研究が行われているが、まだ解明されていないことが多い。また、CFS研究のための予算も非常に少なく、2015年に米国アカデミー(National Academies)傘下の医学研究所(Institute of Medicine:IOM、現在は米国医学アカデミー)が発表した報告書において、患者数が非常に多いにもかかわらず、ごく僅かな予算が割り当てられているのみであることを指摘して、ようやく確保できる研究予算が増額され始めている。

 

2016年11月10日

 

Science:NIH to double funding for chronic fatigue syndrome, but patient distrust remains

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アメリカ
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