国立衛生研究所（National Institutes of Health：NIH）は2016年10月4日、NIHが招集した独立委員会が、青少年の自殺予防のための研究促進を目的とした10年間のロードマップを作成したことを明らかにした。本委員会は、「データシステムの改善」「データ収集・分析手段の強化」「研究・実践コミュニティの強化」の3つの重要な問題に対処する提案事項29項目を提示した。本委員会を構成する独立した専門家は、NIHが2016年3月29日～30日に開催した「予防のための経路ワークショップ（Pathways to Prevention Workshop）」への参加者で、今後10年間で、①複数のソースからのデータを結び付けることによる調査の必要性、②個人特性の集団・時間軸を超えた評価測定、及び、自殺リスクに関連する環境的背景の評価測定を改善する必要性、③効果的な自殺予防プログラムを特定する上での医師に対する支援の必要性、④自殺に関連する偏見の排除を目的とした、医療ケア提供者・学校・家族・コミュニティを対象とした体系的な教育・訓練機会の必要性、の4つの重要な問題に対応することを提案したワークショップ報告書を作成している。なお、同ワークショップは、NIH疾病予防局（Office of Disease Prevention：ODP）、国立精神衛生研究所（National Institute of Mental Health：NIMH）、国立薬物乱用研究所（National Institute on Drug Abuse：NIDA）、及び、国立補完統合衛生センター（National Center for Complementary and Integrative Health：NCCIH）が共同で資金を拠出して開催された。

National Institutes of Health：Panel develops plan for preventing youth suicide