国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)は、2013年に立ち上げられた「革新的神経技術振興による脳研究イニシアティブ(Brain Research through Advancing Innovative Neurotechnologies (BRAIN) Initiative)」の下で、最初の5年間で優れた研究及びツール開発などが行われたことから、これらのプロジェクトを継続して支援するために、新たな助成180件超を発表した。
今回の助成は、70以上の研究機関に所属する研究者270人超を対象とするもので、これにより、2019年度予算からBRAINイニシアティブに投入される資金は4億2,400万ドル超となった。また、今回、同助成を受給する研究プロジェクトには、
- 科学者による神経回路に関する理解を深めることを目的とするプロジェクト
- 「グリア(glia)」と呼ばれる非神経脳細胞の研究
- 複雑な神経科学データ分析・保存
- 脳卒中後に器用さを回復するためのニューロモデュレーションアプローチの試験
- 科学の進歩の倫理的意味への対応
などといった新規プロジェクトも含まれる。 NIHがBRAINイニシアティブの下で付与した助成からは、過去1年間で、
- 死亡した動物の脳における回路研究システム
- ヒトの脳信号から自然な発話能力を模倣するコンピュータプログラム
- 塩分を渇望するニューロンの特定
などの成果が生まれている。
National Institutes of Health: New NIH BRAIN Initiative awards accelerate neuroscience discoveries