【ニュース・アメリカ】NIH、胎児の組織を使用する研究への助成申請における新たな説明義務を発表(7月29日)

国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)は7月26日、中絶された胎児の組織を使用する研究へのNIH助成受給を申請する場合、当該研究を行う上で、胎児の組織を使用する以外に代替手段がない理由の詳細説明を義務付けることを発表した。
 
また、大学院生及びポスドク研究員に対し、胎児の組織を使用する研究でのNIH訓練資金受給を禁止している。ピッツバーグ大学(University of Pittsburgh、ペンシルバニア州)医学部小児科教授のキャロリン・コイン(Carolyn Coyne)氏は、新たな規制に関し、気候変動及び予防接種に関する研究と同様に、医学及び研究を政治化した不幸な傾向とコメントした。
 
一方、カリフォルニア大学サンディエゴ校(University of California, San Diego)細胞・分子医学教授のラリー・ゴールドスタイン(Larry Goldstein)氏は、助成申請にあたり、胎児の組織使用を正当化するための説明を記載する様式も、従来、ヒトもしくは動物の検体を使用する研究では、ページ数に制限のない説明用の別セクションが用意されていたのに対し、新規制の下では、主要な科学研究内容に関する説明を削って定められた枠内で胎児の組織使用の正当性を説明する必要があり、適切性に疑問を呈している。
 
なお、コイン氏とゴールドスタイン氏は、新たに発表された方針は、科学の発達に長期に亘って影響し、より大きな後退に繋がることになるとの見解をいずれも表明している。
 

NIHによる新規制の発表は: こちらから閲覧可能
 

Inside Higher ED, Another Setback to Fetal Tissue Research Under Trump

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