【ニュース・アメリカ】NIH、助成申請書類に査読前の原稿を含めることを容認

国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)は2017年3月24日、研究助成受給を申請する研究者に対し、まだピアレビューを受けていない査読前の原稿や草稿を申請書類の一部として提出することを推奨すると発表した。NIH外部研究担当副長官のマイケル・ラウワー氏(Michael Lauer)によると、これまでは、申請の特定箇所においてのみ、査読前原稿の掲載が認められていたという。これは、査読前の原稿が、研究による発見事項をより迅速に共有するための手段として支持してきた生物科学研究者にとって、大きな勝利となる。物理学者の間では、査読前の原稿の共有がかなり早い段階から行われていたが、生物学界では、競合によって先に発表されたり、入念な検査が行われていない医学的発見が公表されたりすることが懸念材料となり、後れを取っていた。NIHは、助成申請書類に査読前の原稿を含めることに関し、2016年秋にコメント要求を発表したところ、351件のコメントが寄せられ、その大半はNIHの提案を支持する内容であったという。しかし、米国実験生物学会連合(Federation of American Societies for Experimental Biology:FASEB)は、まだ審査を受けていない原稿を申請書類に含めることにより、審査員の負担が増加するとの懸念を表明している。

 

Science:NIH enables investigators to include draft preprints in grant proposals

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
研究支援 研究助成・ファンディング、研究評価