国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)は7月31日、新型コロナウイルス感染症に関する「診断の急加速(Rapid Acceleration
of Diagnostics:RADx)」イニシアティブの下で、診療現場及び検体検査所での検査能力の拡大に向けて、生物医学診断企業7社に総額2億4,870万ドル
を助成することを発表した。
検査の数・種類・利用可能性を顕著に増加させ、最短で2020年9月までに、毎週数百万件の新型コロナウイルス感染症検査を可能とすることを目指す取り組み
である。診療現場における検査拡大に向けた助成を受給するのは、以下の3社である。
- メサ・バイオテック(Mesa Biotech)社:
携帯型逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(reverse transcription polymerase chain reaction:RT-PCR)機器とウイルスRNA検出用使い捨て小型カートリッジを使用した「アキュラSARS-CoV-2(Accula SARS-CoV-2)」検査を提供 - クウィデル(Quidel)社:
「ソフィア(Sofia)」及び「ソフィア2(Sofia 2)」アナライザーを使用し、高齢者福祉施設で使用する技術として保健福祉省(Department of
Health and Human Services)から指定を受けた「クウィデル・ソフィアSARS抗原FIA(Quidel Sofia SARS Antigen FIA)」検査キットで
15分以内に診断結果を提供 - タリス・バイオメディカル(Talis Biomedical)社:
ウイルスRNAの等温増幅と光学検出システムを利用する「タリスワンCOVID-19(Talis One COVID-19)」検査により、検査後30分以内に
結果を提供
一方、検体検査所における検査拡大に向けた助成を受給するのは、以下の4社である。
- ギンキョー・バイオワークス(Ginkgo Bioworks)社:
サンプル取り扱いの自動化とハイスループット次世代シーケンシング技術を活用し、サンプル受領から24~48時間以内に結果を提供できる検査
について、2020年9月までに1日5万件、2020年末までに1日10万件の実施を目指す - ヘリックス・オプコ(Helix OpCo)社:
新型コロナウイルス感染症検査で使用する鼻腔用スワブを公衆衛生機関に発送し、24~48時間以内に処理するサンプル数を
2020年9月までに1日5万件、2020年末までに1日10万件に増加させる - フルイダイム(Fluidigm)社:
xzマイクロ流体工学プラットフォーム「バイオマークHD(BioMark HD)」を使用して、唾液サンプルによる新型コロナウイルスPCR検査を、
現在の処理件数1日数千件から2020年秋には数万~数十万件に拡大することを目指す - マンモス・バイオサイエンス(Mammoth Biosciences)社:
クリスパー(CRISPR)技術を使用した新型コロナウイルス検出分析を通して、民間検体検査所における検査能力を数倍に増加させることを
目指す
7月31日
National Institutes of Health:NIH delivering new COVID-19 testing technologies to meet U.S. demand