国立衛生研究所（National Institutes of Health：NIH）傘下の国立アレルギー・感染症研究所（National Institute of Allergy and
Infectious Diseases：NIAID）は、新型コロナウイルス感染症予防を目的とした様々な治験ワクチン及びモノクローナル抗体の大規模臨床試験に
参加する数千人のボランティア登録を目指す、新たな臨床試験ネットワーク「COVID-19予防試験ネットワーク（COVID-19 Prevention Trials
Network：COVPN）」を立ち上げた。
 
COVPNは、NIAIDが助成する既存の臨床試験ネットワークである
 

1. HIVワクチン試験ネットワーク（HIV Vaccine Trials Network：HVTN）
2. HIV予防試験ネットワーク（HIV Prevention Trials Network：HPTN）
3. 感染症臨床研究コンソーシアム（Infectious Diseases Clinical Research Consortium：IDCRC）
4. エイズ臨床試験グループ（AIDS Clinical Trials Group：ACTG）

を統合するもので、これら4つのネットワークは、それぞれHIVワクチン及び予防法とその他の感染症に関する臨床試験を継続して実施しながら、
新型コロナウイルス感染症予防に向けた取り組みも行うことになる。

 
 具体的に、COVPNのワクチン試験は、HVTNの拠点でCOVPN運営センターの役割を担うフレッド・ハッチンソンがん研究センター
（Fred Hutchinson Cancer Research Center、ワシントン州）に所属し、HVTN主任研究員（PI）を務めるラリー・コリー（Larry Corey）氏と、
メリーランド大学医学部（University of Maryland School of Medicine）所属でIDCRC共同PIのキャスリーン・ニュージル（Kathleen M. Neuzil）
氏が主導する。

 
 一方、モノクローナル抗体試験は、ノースカロライナ大学チャペルヒル校（University of North Carolina, Chapel Hill）所属で
HPTN共同PIのマイロン・コーヘン（Myron S. Cohen）氏とエモリー大学（Emory University、ジョージア州）所属でIDCRC共同PIのデービッド・
スティーブンス（David S. Stephens）氏が主導する。なお、COVPNの最初のフェーズ3臨床試験では、NIAID研究者らが開発した治験ワクチン
「mRNA-1273」を使用した試験が行われるものとみられている。
 
COVPNの詳細は、こちらから閲覧可能。
 
7月8日
 

National Institutes of Health：　NIH launches clinical trials network to test COVID-19 vaccines and other prevention tools