国立アルコール乱用・依存症研究所(National Institute on Alcohol Abuse and Alcoholism:NIAAA)は、2017年~2021年の5年間の研究戦略計画を発表した。
この新計画は、NIAAAによるアルコール研究において、更なる支援が最も有効となる可能性の高い分野への資金割当を最適化させ、科学発見事項を国民の利益へと転換し、米国におけるアルコールと健康に関する証拠に基づく重要な情報源としてのNIAAAの役割を継続して構築するためのロードマップの役割を果たすことになる。
米国では現在、約1,600万人がアルコール使用障害(alcohol use disorder:AUD)を患い、アルコール関連の原因で年間約8万8,000人が死亡していると推測されている。このような現状を受け、NIAAAの戦略計画は、次の5つの目標に基づいて作成された。
① | アルコールによる行動、アルコール関連の病状、及び、回復に関するメカニズムの特定 |
② | アルコールの誤用、アルコール使用障害、及び、アルコール関連の原因で引き起こされる事柄の診断・記録の改善 |
③ | アルコールの誤用、アルコール使用障害、及び、アルコール関連の原因で引き起こされる事柄を予防する戦略の開発・改善 |
④ | アルコールの誤用、アルコール使用障害、及び、アルコール関連の原因で引き起こされる事柄の治療法の開発・改善 |
⑤ | NIAAAが支援する研究による公衆衛生へのインパクトの強化 |
さらにNIAAAのミッションを達成するために不可欠な以下の課題を特定している。
- 人生全般に亘ってのアルコールの誤用への対応
- アルコールの誤用と併せて発生する状態への対応
- 健康格差の縮小
- プレシジョン・メディシン(精密医療)の進歩
- 生物医学研究の人材強化
- 米国の研究資金の責任ある使用者としての行動
なお、本戦略計画は、以下より閲覧可能。
National Institutes of Health:NIAAA STRATEGIC PLAN 2017-2021
2017年5月15日
National Institutes of Health:New NIAAA strategic plan aims to advance alcohol research across a broad spectrum of areas