【ニュース・アメリカ】GAO、NSFによる助成受給機関に対する間接経費支払及び間接経費率設定状況を検証

政府説明責任局(Government Accountability Office:GAO)は2017年9月28日、米国科学財団(National Science Foundation:NSF)による助成受給機関への間接経費支給及び間接経費率(indirect cost rate:ICR)設定のための交渉を検証した報告書「米国科学財団~研究間接経費の監督改善のための措置が必要~(National Science Foundation:Actions Needed to Improve Oversight of Indirect Costs for Research)」を発表した。

 

GAOは、議会の要請を受けて、①NSF助成に伴う間接経費についてこれまでに判明していることと、②ICRの設定に関してNSFが指針を提示する程度を調査するために関連規則・指針・書類を検証(予算データ及び2016年度のICRファイル9件の分析)し、NSF職員との面接を行った。

 

その結果、①に関しては、
2000年度~2016年度の間にNSFから助成を受給した研究プロジェクトのために予算化された間接経費は、助成額の16~24%と差があり、割合が最低であったのは2010年で、年によって活動の種類や助成受給機関の種類などによって割合が変化していることが明らかになった。

 

また、②に関しては、
NSFはICR設定に関する内部指針を策定しているが、一貫して指針に基づいて実行されている訳ではないことが判明した。
特に、(1)指針順守がNSF職員に義務付けられていないこと、
(2)ICR設定の監督業務に関する詳細が含まれていないこと、
(3)ICR設定に関する連邦政府による新指針の実効などを含む特定の手順が含まれていないこと、
などが問題であると指摘されている。

 

これらの結果を受けて、GAOは、NSFに対し、指針に特定の詳細・手順を含めることなど、ICR設定のための指針を改善するための措置3件を提案し、NSFはこれに合意している。

 

Government Accountability Office:National Science Foundation:Actions Needed to Improve Oversight of Indirect Costs for Research(報告書PDFあり)

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