【ニュース・アメリカ】GAO、ICEによる留学生・交換訪問者プログラムにおける不正リスク管理の現状を検証

 
政府説明責任局(Government Accountability Office:GAO)は2019年3月18日、国土安全保障省(Department of Homeland Security:DHS)移民税関捜査局(U.S. Immigration and Customs Enforcement:ICE)の留学生・交換訪問者プログラム(Student and Exchange Visitor Program:SEVP)における不正行為に対する脆弱性を検証した報告書「留学生・交換訪問者プログラム ~DHSは大学再認可及びプログラム監督に関連する不正リスク管理のためにさらなる対策を行使すべき~(Student and Exchange Visitor Program: DHS Can Take Additional Steps to Manage Fraud Risks Related to School Recertification and Program Oversight)」を発表した。
 
GAOは、

  1. SEVP大学認可・再認可手続きにおける不正リスクへの対処を目的としたICEによる管理の程度、
  2. 指定大学担当者(designated school official:DSO)研修に関連する不正リスク管理の程度、

の2点を検証するために、ICE方針及び文書の分析、2013年~2017年の大学再認可関連データの分析、GAOが選出したICE現場事務所5カ所に所属する職員との面接、当該ICE事務所近郊に所在する大学17校の職員との面接などを行った。
 
その結果、①に関しては、ICEは、大学認可に関連する不正リスクに対処するための管理を行っているものの、再認可手続きにおける遅延が長期に亘ることから、不正リスクを悪化させていることが判明した。ICEは、2年毎に再認可を行うことが義務付けられているが、2013年~2017年の実績を見ると、約1万2,900校の再認可を行ったものの、2年間の時間枠内には実施できず、認可失効日を180日間延期していたことが明らかにされた。
 
また、②に関しては、ICEは、同局の留学生情報システムのデータ更新・維持管理と不正疑惑の報告をDSOに依存しているが、DSOを対象としたSEVPの不正リスクに関する研修を実施していないことが判明した。ICE職員は、当該研修を開発する計画であると2018年6月に発言したものの、文書化された計画や完成に向けた具体的スケジュールなどは存在しなかった。
 
これらの結果を受け、GAOはICEに対し、

  1. 2年間の認可期間が失効する180日前に大学に通知し、再認可に向けて更なる資料が必要か否かを検証、
  2. DSOを対象とした、不正関連研修を実施する計画を策定、

などを含む提案事項7項目を提示し、ICEは全ての提案に合意している。
 
なお、本報告書は、「STUDENT AND EXCHANGE VISITOR PROGRAM」(PDF:5.93MB)からダウンロード可能。
 
2019年3月18日
 
Government Accountability Office:Student and Exchange Visitor Program: DHS Can Take Additional Steps to Manage Fraud Risks Related to School Recertification and Program Oversight
 

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