【ニュース・アメリカ】GAO、連邦研究助成に関与する連邦政府機関及び大学における利益相反を検証

 
政府説明責任局(GAO)は12月17日、連邦研究助成に関与する連邦政府機関及び大学における利益相反(COI)を検証した報告書「連邦研究:政府
機関は外国による影響に対応する方針の強化が必要
」を発表した。

 
GAO は、国立衛生研究所(NIH)米国科学財団(NSF)米航空宇宙局(NASA)国防総省エネルギー省の5省庁と大学に関して検証を行った。
その結果は以下の通り。

 

① COI方針及び開示要件:
 
NIH、NSF、NASAの3機関では機関全体でのCOI方針がある一方、国防総省及びエネルギー省にはないことが判明した。但し、これら3機関も、
金銭に関連するCOI方針はあるものの、それ以外に関しては明確な方針は提示されていなかった。
 
これについてGAOは、政府機関全体での方針及び、非金銭的利益相反に関する明確な定義がないことにより、研究者らは開示すべき情報を十分に
理解していない可能性があり、外国の影響によるリスク評価が不十分になる可能性を指摘した。これに対し、検証対象となった大学11校では、
いずれも連邦助成研究における金銭的・非金銭的COI方針が公表されていた。

 
② 方針及び要件を監督・執行するシステム:
 
5機関ともに、情報開示要件を充足していない疑いがある場合の対応に関するシステムは確立されているが、いずれも金銭的COIの監督は大学に
任せている。さらに、共同研究などの非金銭的情報も、大半の政府機関は収集していたが、3機関では、情報開示要件を充足していない疑いに
対応する手順が文書化されていなかった。

 
③ 連邦助成研究に対する外国の脅威への対応を改善する手段に関するステークホルダーの見解:
 
助成申請要件を統一するなど、現状改善の余地があるため、各機関は、これらの問題への対応に着手している。このような結果を受け、GAOは、
これら5機関及び大統領府科学技術政策局(OSTP)の合計6機関に対して合計9項目の提案事項を提示しており、NSFを除く5機関がGAOの提案
に同意している。またNSFは、同意・非同意を表明せずに対応策をGAOに提示した。

 
なお、本報告書は、こちら から閲覧可能。

 

12月17日


Government Accountability Office: FEDERAL RESEARCH: Agencies Need to Enhance Policies to Address Foreign Influence


地域 北米
アメリカ
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
研究支援 研究公正性