【ニュース・アメリカ】GAO、教育省による連邦学資直接ローンの管理状況を検証

政府説明責任局(Government Accountability Office:GAO)は2016年6月15日、議会からの要請を受けて作成した教育省(Department of Education)による連邦学資直接ローンプログラムの管理状況を検証した報告書「連邦学資ローン~教育省は直接ローンプログラムにおける消費者サービスと監督の改善が可能~(Federal Student Loans: Education Could Improve Direct Loan Program Customer Service and Oversight)」を公表した。

 

本報告書では、①教育省及びローンサービス企業が学資ローン利用者に提供する情報の種類と情報へのアクセスのしやすさと、②直接ローンプログラム管理のために教育省がローンサービス企業を監督する程度の2点が取り上げられている。

 

GAOは、教育省の契約・政策・手続の調査、監督報告書と手順の分析、ローンサービス企業のウェブサイト及び学資ローン利用者に提供されるその他の情報の見直しなどを行った他、教育省・消費者金融保護局(Consumer Financial Protection Bureau)・直接ローン利用者の95%以上を対象としたローンサービス企業の職員・社員、及び教育省のデータから無作為抽出された学資ローン利用者24人に対する面接を実施した。

 

その結果、①に関しては、教育省及びローンサービス企業は、返済プランや手続きなどに関する情報をローン利用者に提供しているが、利用者の一部はこれらのサービス企業への連絡が取りづらいとコメントしており、サービス企業の電話窓口の営業時間改善や、最低限の基準が必要であることが明らかになった。

 

また、②に関しては、ローン利用者からの苦情の記録方法が改善されたものの、情報収集手段が統一されていないため、サービス企業が提供するサービスが基準を満たしているか否かの判断が困難であることが判明した。

 

これらの結果を受け、GAOは教育省に対し、サービス企業の電話窓口の最低基準を満たすこと、利用者からの苦情の記録に関してサービス企業から総合的且つ比較可能な情報を確保すること、及び、実績評価基準及び報酬を評価・調整すること、の3点を提案している。なお、教育省はGAOの調査結果及び提案に全般的には同意したが、現在の実績評価基準はコンプライアンスに則ったものとの見解を表明した。GAOはこの見解に異議を唱えている。

 

なお、本報告書は、以下よりダウンロード可能。
Federal Student Loans: Education Could Improve Direct Loan Program Customer Service and Oversight[PDF:2.86MB] 

 

Government Accountability Office:Federal Student Loans: Education Could Improve Direct Loan Program Customer Service and Oversight

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