【ニュース・アメリカ】GAO、教育省による「公職者ローン返済免除」申請却下率が未だに99%であることに対して改善を要求(9月5日)

政府説明責任局(Government Accountability Office:GAO)は9月5日、教員などの公職に就いた連邦学資ローン利用者を対象とする「公職者ローン返済免除(Public Service Loan Forgiveness:PSLF)」プログラムの現状を検証した報告書「公職者ローン返済免除 ~一時的拡大プロセスの改善により、ローン利用者の当惑を軽減する可能性あり~(Public Service Loan Forgiveness: Improving the Temporary Expanded Process Could Help Reduce Borrower Confusion)」を発表した。
 
2007年に設立された「PSLF」プログラムは、公職に就いた連邦学資ローン利用者に対して、10年間、規定通りに合計120回の返済を行った場合、負債残額の返済を免除するというものである。しかし、同プログラム開始後10年が経過し、返済免除対象となる公職に就くローン利用者が返済免除申請手続きをしたところ、教育省(Department of Education)は99%の申請を却下した。
 
この状況を受け、連邦議会は、「PSLF」プログラムを一時的に拡大するための予算7億ドルを「一時的拡大PSLF(TEPSLF)」として2018年に教育省に割り当てたが、GAOによる調査の結果、申請却下率は依然として99%で、返済免除が認められた負債総額は2,690万ドルに留まることが判明したという。
 
GAOは、新プログラムの下で申請を却下された者の70%以上は、必須とされる旧プログラムの下での申請を行っていなかったためで、教育省は、ローン利用者に対するサービス向上を謳いながら、システムが非常にわかりにくいことから、ローン返済免除を受けるべき利用者がその恩恵を被っていないと指摘した。
 
GAOは、

  1. 「TEPSLF」申請内容を「PSLF」申請に統合。
  2. 全ての学資ローンサービス提供企業に対して「TEPSLF」情報をウェブサイトに掲載することを義務付け。
  3. 「TEPSLF」情報を「PSLF」オンラインヘルプツールに含めることを義務付け。
  4. などを含む提案事項4項目を提示し、教育省は、全ての提案に同意している。

なお、本報告書は、こちらからダウンロード可能。
 

The Chronicle of Higher Education: 
The Chronicle of Higher Education, The Education Department’s ‘Expanded’ Loan-Forgiveness Program for Public Service Has the Same Rejection Rate as Before: 99 Percent
 

GAO: 
Government Accountability Office, Public Service Loan Forgiveness: Improving the Temporary Expanded Process Could Help Reduce Borrower Confusion

地域 北米
アメリカ
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