【ニュース・アメリカ】GAO、大学院プラスローン利用者の特徴を検証

 
政府説明責任局(Government Accountability Office:GAO)は2018年4月17日、大学院生を対象とした連邦学資ローンである「大学院プラス(Graduate PLUS:Grad PLUS)」ローンの利用者に関する報告書「高等教育:大学院プラスローン利用者の特徴(Higher Education: Characteristics of Graduate PLUS Borrowers)」を発表した。
 
GAOは、2006年7月1日に導入された大学院プラスローン及びローン利用者に関連する問題を調査するために、

  1. 大学院プラスローン利用状況及び、負債管理のために利用するローン返済計画と、
  2. ローン利用上限を設定することによるローン利用者の数・種類及びローン利用額への影響、

の2点を検証した。
 
その結果、①に関しては、大学院プラスローン利用者の学資ローン利用平均額は、学士課程在籍時のローン利用額を含めて14万ドル以上で、このうち約2万7,000ドルが大学院プラスローンであることが明らかになった。また、教育省(Department of Education)は、2007年~2017年の間に、大学院プラスローン約710億ドルを170万人の利用者のために拠出しており、個々の学生の利用額は、10パーセンタイル値が約5,000ドル、90パーセンタイル値が9万8,554ドルであった。
 
返済計画は、2017年6月時点では、大半の学生が標準10年返済計画を利用し、収入に応じた返済計画利用者は全体の36%であった。さらに、公職ローン返済免除プログラム(Public Service Loan Forgiveness program)の対象となる大学院プラスローン利用者は、2017年6月時点で全体の11%で、返済滞納者は、2017年3月時点で全体の2%となっている。
 
一方、②に関しては、複数のモデルを使用して分析した結果、学生1人あたりの上限を1万ドルと仮定した場合、120万人以上の利用者が影響を受け、教育省による大学院プラスローン拠出額は、2007年~2017年の間で合計約416億ドルの減額となったのに対し、上限を2万5,000ドルとした場合は、約60万人の利用者が影響を受け、拠出額は合計約165億ドルの減額となったことが分かった。
 
この他、生涯上限額を設定した場合、最も影響を受けるのは専門博士課程在学生及び、法学・医学関連分野を専攻する大学院生であることが明らかになった。
 
なお、本報告書は、「Higher Education: Characteristics of Graduate PLUS Borrowers」(PDF:14.94MB)からダウンロード可能。
 
2018年4月17日
 
Government Accountability Office:Higher Education: Characteristics of Graduate PLUS Borrowers

 

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アメリカ
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