【ニュース・アメリカ】GAO、人工知能の機会・将来性とリスク・問題点を報告

2018年6月26日、政府説明責任局(Government Accountability Office:GAO)は、GAOが2017年7月6日と7日に開催し、産学官及び非営利機関の専門家などが参加した「人工知能フォーラム(Forum on Artificial Intelligence)」の内容に基づき、①人工知能(AI)がもたらす機会・将来性と主要な問題・リスクと、②AIの進歩の結果として実施される政策と研究の優先事項をまとめた報告書「人工知能~政策・研究における新興機会・問題・実施~(Artificial Intelligence:Emerging Opportunities, Challenges, and Implications for Policy and Research)」を発表した。

 

これによると、本フォーラムでは、AIがもたらす機会として、

1) AI技術を通した自動化への投資により、生産性向上と経済効果に繋がること、
2) 複数のデータ源から莫大な量のデータを収集し、人間よりも迅速に異常を発見できること、
3) 世界で最も複雑且つ急を要する問題解決に役立つ可能性があること、

などが参加者から挙げられた。

 

一方、AIに関連する問題としては、

ⅰ) AIが使用するデータが偏見を含んだりハッカーによって損傷されたりした場合、結果が偏見を含んだり有害となったりする可能性、
ⅱ) データ収集・共有に関してAIシステムを訓練する必要性、
ⅲ) 演算リソースへのアクセス不足、
ⅳ) 人材の適切性、
ⅴ) 現行法・規則の適切性、
ⅵ) 研究におけるAI利用を管理する適切な倫理枠組みの開発・導入の必要性、

などが指摘された。

 

また、これらの長所・短所を検証した結果、特に政策決定者は、「データ共有の促進」「安全性・セキュリティの改善」「AIに影響を与える規制アプローチの最新化」「容認可能なレベルのリスク・倫理規定の評価」などが必要であることが示されている。

 

Government Accountability Office:Artificial Intelligence:Emerging Opportunities, Challenges, and Implications for Policy and Research(報告書PDFあり)

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