国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency:DARPA)国防科学局(Defense Sciences Office:DSO)は2018年1月18日、量子研究におけるパラダイムシフトを調査するための新たな基礎研究プログラム「駆動型非平衡量子システム(Driven and Nonequilibrium Quantum Systems:DRINQS)」を発表した。
DARPAは、小型量子デバイス及びセンサーの利用により、量子システムのコヒーレンス寿命を劇的に延長することが可能なプロトコルの実証を目指している。量子コヒーレンスは、量子粒子の周囲の環境に対する感度が非常に高く、僅かな温度変化やその他の環境攪乱によってすぐに不安定となり、予測可能且つ測定可能な量子特性を比較的短時間で喪失するため、DARPAが別のプログラムで開発した世界で最も高精度の原子時計であっても、他から隔離するために特別な実験室環境におくことが必要となっている。
DARPAプログラムマネージャーのエール・ルカシェフ(Ale Lukaszew)氏は、室温下において、量子コヒーレンスを維持しながら小さな空間内に粒子を近接させて収納するための定期的な駆動を導入することが可能となれば、原子時計や磁力計などといったセンサーの非常に精度の高い性能を再現させられる可能性があるとしている。
なお、DARPAは、技術詳細に関する「DRINQS」プログラムの目的を概説するために、提案書提出を検討する研究者を対象としたウェビナーを2月1日に実施予定である。
「DRINQS」プログラムの詳細は、「Driven and Nonequilibrium Quantum Systems (DRINQS) Proposers Day」で閲覧可能。
2018年1月18日
Defense Advanced Research Projects Agency:DARPA Program Aims to Extend Lifetime of Quantum Systems
【ニュース・アメリカ】DARPA、量子研究におけるパラダイムシフトを調査するための基礎研究プログラム「DRINQS」を立ち上げ
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