国防高等研究計画局（Defense Advanced Research Projects Agency：DARPA）は2019年2月27日、完全耐障害性量子コンピュータの開発に先駆けて量子情報処理機能を活用することを目的とした「ノイズのある中規模量子機器最適化（Optimization with Noisy Intermediate-Scale Quantum devices：ONISQ）」プログラムの立ち上げを発表した。
 
ONISQは、中規模量子機器と伝統的システムを組み合わせて、組み合わせ最適化の問題解決を目指すもので、量子情報処理の数量的利点を実証する。ONISQプログラムでは、数百・数千量子ビットへの拡大が可能で、コヒーレンス時間を長くし、ノイズ制御を改善した量子システムの開発の他、ノイズのある中規模量子機器における量子最適化アルゴリズムの効率的実行などを行うことになる。
 
DARPAでは、実験・理論物理学、コンピュータ科学、応用数学などの専門家で構成される学際チームのプログラム参加を求めており、数週間以内に提案書募集を公示する予定である。なお、DARPAは、同プログラムへの提案書提出に関心のある研究者を対象とした説明会を2019年3月19日に実施する。
 
2019年2月27日
 
Defense Advanced Research Projects Agency：Taking the Next Step in Quantum Information Processing