NAFSA国際教育者協会(NAFSA: Association of International Educators)は5月21日、米国を拠点とする高等教育機関及び国際教育団体の
リーダーを対象に4月前半に実施した、COVID-19による財務的影響に関する調査結果を発表した。
これによると、留学プログラムの短縮・中止により、米国高等教育界全体で約10億ドルが損失された可能性があり、講座がオンラインに
切り替えられた後もキャンパスに留まった留学生・研究者・教員の経済支援に約6億3,800万ドルが投入されたことが判明した。
また、2020年秋学期に在籍する留学生数の減少が予想されることにより、米国高等教育機関は少なくとも30億ドルを喪失すると予想され、
国際教育支援のために連邦議会が救済措置を講じなければ、米国高等教育界は45億ドル以上を損失して、米国人数万人が失業することになると
予測している。
主な調査結果は以下の通り。
- 回答した大学の94%は、春及び夏学期の留学プログラムを短縮もしくは中止しており、損失額は1億1,500万ドル。米国高等教育全体
での損失額は約10億ドルとなる可能性あり。 - 63%の大学は、留学プログラムの中止により、留学担当部署に所属する職員の雇用に影響(就労時間短縮・一時解雇・役職の廃止・採用凍結・減給)もしくは影響を与える可能性ありと回答。
- 61%は、2020年秋学期に留学プログラムが提供されるか否かは不確実と回答し、15%は中止と予測。
- 38%は、大学キャンパスに留まる留学生に対する支援(学生寮・奨学金・食事・家賃・航空機代・授業料返金)を継続しており、
約4,200万ドルを支出。米国高等教育界全体では支援総額4億1,850万ドルとなる可能性あり。 - 78%は、2020年秋学期在籍学生数が減少し、収入は1億9,200万ドル減と予測。米国高等教育界全体では、少なくとも30億ドルの
収入源となる可能性あり。 - 55%の大学は、海外からの研究者・教職員を招聘・雇用しており、うち77%はCOVID-19危機の間も支援・雇用を継続。
- 36%は海外からの研究者・教職員にさらなる経済的支援を提供して約600万ドルを支出。米国高等教育界全体では約2億1,900万ドルの支出となる可能性あり。
- 51%は、留学生・海外からの研究者担当部署の職員の雇用がCOVID-19の影響を受けることはないと回答。一方、24%は、
判断するには時期尚早と回答し、21%は影響を受ける見込みと回答。
なお、本報告書は、こちらからダウンロード可能。
5月21日