【ニュース・アメリカ】ACT試験、受験者数は10年連続で記録更新の一方で、基礎学力向上が課題

大学進学準備度評価のための標準試験を運営するACTは、年次報告書「大学進学・就職準備度の状態(Condition of College & Career Readiness)」(URL1)を発表した。これによると、2014年の高校卒業者の中で、過去最高となる57%に相当する約184万人がACT試験を受験したという。これは、2013年から3%増、2010年からは18%増となり、同試験受験者数は10年連続で受験者総数が増加した上、同試験受験者の86%は大学進学を希望していることが明らかにされた。しかし、2013年に高校を卒業した同試験受験者の87%が大学進学希望者であったにもかかわらず、2013年秋学期に実際に大学に在籍していたのは69%のみで、30万人超の学生が希望をかなえられなかったことも判明している。これは、ACT試験の英語、数学、読解力、科学の4科目中、3科目以上でACTの定める大学準備度ベンチマーク以上の得点を取得した受験者が全体の39%に留まる他、31%は全4科目でベンチマークを達成していないなど、大学進学に必要な基礎学力が不十分であることが一因と報告書は分析している。また、複数年に亘り同試験を全生徒に受験させているコロラド州など8州では、平均点がいずれの州でも前年から上昇しており、このうち5州においては平均点が0.2~0.3ポイント増と顕著に上昇したという。なお、同試験を全生徒に受験させる州は、2013-2014学年度に3州増加して11州となっており、2014-2015学年度にはさらに5州が同試験を導入予定である。最後に同報告書は、大学進学準備のためのコア授業を高校で履修することを強く推奨している。

URL1: http://www.act.org/research/policymakers/cccr14/pdf/CCCR14-NationalReadinessRpt.pdf
URL2: http://www.act.org/newsroom/releases/view.php?lang=english&p=3228

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
人材育成 入試・学生募集