【ニュース・アメリカ】AAASを含む科学・学術団体、新しいビザ申請手続き規則案に対する懸念を表明した書簡を国務省とOMBに送付

米国科学振興協会(American Association for the Advancement of Science:AAAS)を含む科学・学術団体は2017年5月18日、連邦官報(Federal Register)に5月4日付で公示されたビザ申請手続きの新しい規則案に関する懸念を表明し、更なる詳細を提供することを強く要請する内容の書簡を、国務省(Department of State)及び大統領府行政管理予算局(Office of Management and Budget:OMB)に送付した。

 

また、本規則案は、規則策定手続を迅速に進める緊急審査手続の下で公示されており、同書簡は、検討期間と一般からのインプットが制限される緊急審査ではなく、通常の規則策定手続をとることも要請している。本書簡において特に懸念が表明されているのは、

ビザ申請者に対し、ハンドルネームを含む過去5年間のソーシャルメディア活動報告を義務付けること
一部のビザ申請者に対し、雇用歴、住所、過去のパスポート番号、兄弟・子ども・過去と現在の配偶者を含む家族情報、資金調達手段と期間を含む旅行歴などを含め、過去15年間の略歴提出を義務付けていること
過去5年間で使用した電話番号とEメールアドレスの提供が義務付けられる可能性があること

などであるが、国務省は、米国への入国希望者の0.5%に相当する約6万5,000人が影響を受けると推測している。

 

同書簡は、本規則案には具体性が欠如しており、ビザ申請者が意図することなく情報公開に不備が生じる可能性があるとした他、審査強化の対象となるビザ申請者の基準に関する詳細が欠如しており、どの申請者が強化審査の対象となるかを決定する多大な権限が領事館員に付与されると解釈できることから、特に大きな懸念を表明している。さらには、今回の規則案のままでは、詳細が不明瞭であることからビザ発給手続きの遅れが予想され、学生や研究者が登録期限などの問題に直面する可能性があることを指摘した他、追加して収集された情報の保存方法におけるプライバシー保護の問題に関しても懸念を表明している。

 

なお、連邦官報に公示された内容は、以下より閲覧可能。
Federal Register:Notice of Information Collection Under OMB Emergency Review:Supplemental Questions for Visa Applicants

 

American Association for the Advancement of Science:Science and Academic Groups Raise New Concerns about Visa Vetting Plan(書簡PDFあり)

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