【ニュース・アメリカ】2020年度の高等教育機関研究開発費、前年度比増加率は2015年以降で最低の3.3%増

 
米国科学財団(NSF)傘下の 米国科学工学統計センター(NCSES)は12月27日、2020年度の高等教育機関による研究開発費に関する報告書「2020年度の高等教育機関研究開発費3.3%増は2015年度以降で最低」を発表した。本報告書は、NCSES が実施した高等教育研究開発調査のデータに基づいて作成されたもので、これによると、2020年度の高等教育機関による研究開発支出は前年度比27億ドル増(3.3%増)の864億ドルであったが、増加率は2015年以降で最小となった。主な結果は以下の通り。

  • 高等教育機関研究開発費の資金源は、全体の約53%を占める連邦政府省庁からの助成462億ドルが最大で、2019年度から17億ドル増(3.7%増)。但し、全体に占める割合は、2011年度の62%をピークに縮小傾向。高等教育機関の自己資金は前年度比8億4,300万ドル増(4%増)で、全体の約25%。それ以外の資金源は、企業(1億2,300万ドル)、州・地方政府(8,500万ドル)、非営利団体(5,600万ドル)など。
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  • 連邦政府省庁別に見ると、助成額が最大であったのは国立衛生研究所(NIH)を含む厚生省で、前年度比9億7,300万ドル増の254億ドル。
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  • 分野別にみると、科学研究開発費が前年度比21億ドル増(3.2%増)の676億ドル、工学研究開発費が同3.6%増の137億ドル、非科学工学研究開発費が同3.5%増の50億ドル。
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  • 高等教育機関の52%は、新型コロナウイルス感染症パンデミック救済関連の資金を受給。
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  • 研究開発支出額が最大であったのは ジョンズ・ホプキンス大学で、以下、ミシガン大学アナーバー校カリフォルニア大学サンフランシスコ校ペンシルバニア大学ワシントン大学シアトル校が上位5校。なお、上位30校による支出総額が全体の42%を占める。

 
12月27日


National Center for Science and Engineering Statistics: Higher Education R&D Increase of 3.3% in FY 2020 Is the Lowest since FY 2015


地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
行政機関、組織の運営 予算・財政
大学・研究機関の基本的役割 研究
統計、データ 統計・データ