【ニュース・アメリカ】2019-20学年度の米国大学教員給与、インフレ調整後は前年からほぼ横ばい

 
 米国大学教授協会(American Association of University Professors:AAUP)は、2019-20学年度大学教員給与調査(2019-20 Faculty Compensation Survey)の結果を発表した。本調査結果は、コミュニティカレッジから研究大学まで、全米大学928校のフルタイム教員約38万人とパートタイム教員9万6,000人からの回答に基づくものである。

 
 これによると、フルタイム教授の平均給与は前年比2.8%増であったが、消費者物価が2.3%増加したため、インフレ率を勘案するとほぼ横ばいとなった。2000年代後半の景気後退以降、大学教員の給与増加率は、2015-16学年度までは消費者物価の増加率を下回っており、それ以降はほぼ横ばいとしている。主な結果は以下の通り。

  • 大学の種類別では、博士課程教授が前年比2.8%増で、修士課程及び準学士課程教授がそれぞれ1.2%増と1%増。学士課程教授は2.3%増でインフレ率と同じ。
  • 女性大学教員の平均給与は男性の81.4%。全種類の大学を含めると、男性教授の平均給与は約14万6,600ドルであるのに対し、女性教授は12万7,600ドル。また、男性助教の平均給与は約8万6,500ドルであるのに対し、女性助教は7万8,900ドル。
  • 私立大学博士課程教授の平均給与は約20万3,000ドルであるのに対し、公立学士課程教授では約9万9,000ドル。
  • フルタイム教授のうち約97%は、給与の平均10.7%を退職基金に積み立て。また、約94%は、給与の平均11.9%を医療保険料として給与から天引き。
  • 非常勤パートタイム教員の場合、1科目あたりの平均レートは、公立準学士課程で2,263ドル、私立博士課程で4,620ドル。
  • パートタイム教員退職基金積立機会を提供する大学は全体の約38%で、医療保険料支払いを支援する大学は全体の37%。
  • 学長1年目の給与は、公立準学士課程大学で約23万ドルであるのに対し、私立博士課程大学では約80万ドル。
  • 地域別では、米国北東部・大西洋中部・西海岸の大学教員の給与が、他の地域よりも高い傾向。
  • 大学別では、2019-20学年度の教授の平均給与が最も高かった私立大学はコロンビア大学(Columbia University、ニューヨーク州)で26万8,400ドル。以下、スタンフォード大学(Stanford University、カリフォルニア州:26万1,900ドル)、プリンストン大学(Princeton University、ニュージャージー州:25万5,000ドル)、ハーバード大学(Harvard University、マサチューセッツ州:25万3,900ドル)、シカゴ大学(University of Chicago、イリノイ州:24万6,100ドル)が続く。
  • 2019-20学年度の教授の平均給与が最も高かった公立大学はカリフォルニア大学ロサンゼルス校(University of California, Los Angeles)で22万5,000ドル。また、上位3校は、いずれもカリフォルニア大学システム傘下の大学。一方、教養大学ではバーナード大学(Barnard College、ニューヨーク州)が最高で18万1,600ドル。

 

なお、本調査結果は、こちらからダウンロード可能。
 
4月8日
 


Inside Higher ED: Professor Pay Is Flat — Again

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