米国科学財団（National Science Foundation：NSF）傘下の米国科学工学統計センター（National Center for Science and Engineering Statistics：NCSES）は2019年6月17日、報告書「2018年度連邦研究開発費は2.7％増と予測（Federal R&D Obligations Increase an Estimated 2.7％ in FY 2018）」を発表した。
 
これによると、2018年度連邦研究開発（R＆D）費は、2017年度から2.7％増の1,215億ドルと予測されている。このうち、R&D施設費が前年度比22.4％増の32億ドルと大幅に増加しているのに対し、研究費は2.3％増の713億ドルとの見込みであるが、連邦研究費全体の47％を占める生命科学研究費は、前年度比1.9％減の335億ドルとなっている。
 
その他の主な結果は以下の通り。

• 2018年度連邦研究費（基礎研究及び応用研究を含む）は、R＆D費全体の58.6％（713億ドル）で、全体に占める割合としては前年度の58.8％（696億ドル）とほぼ同じ。
• 省庁別でみると、国立衛生研究所（National Institutes of Health：NIH）を擁する厚生省（Department of Health and Human Services）が連邦研究費全体の46.9％（335億ドル）を占めて最大。以下、エネルギー省（Department of Energy）の16％（114億ドル）、国防総省（Department of Defense）の10.8％（77億ドル）、米航空宇宙局（National Aeronautics and Space Administration：NASA）の8.7％（62億ドル）、NSFの6.9％（50億ドル）、農務省（Department of Agriculture）の3.3％（23億ドル）が続く。これら6省庁の研究費合計は、連邦研究費全体の92.7％（661億ドル）を占め、2017年度の91％（637億ドル）から微増。
• 2018年度連邦研究費のうち、基礎研究費は337億ドルとなる見込みで、2017年度の333億ドルから微増。このうち、前述の6省庁が占める割合は97.7％（329億ドル）で、厚生省が全体の49.6％（167億ドル）を占める。
• 2018年度連邦研究費のうち、応用研究費は376億ドルとなる見込みで、2017年度比3.2％増。このうち、前述の6省庁が占める割合は88.2％（331億ドル）で、2017年度の85.9％（313億ドル）を上回る。また、厚生省が全体の44.5％を占め、最大ではあるものの、2017年度の45.9％から縮小。
• 2018年度連邦研究費のうち、実験開発費に関しては、国防総省が全体の83.5％（420億ドル）を占めて最大で、2017年度の77.4％（377億ドル）から大幅増。

 
2019年6月17日
 
National Science Foundation：Federal R&D Obligations Increase an Estimated 2.7% in FY 2018