【ニュース・アメリカ】2018年の高等教育への寄付総額、前年比7.2%増の467億3,000万ドルで過去最高

 
ギビングUSA財団(Giving USA Foundation)は2019年6月18日、米国における2018年の慈善活動をまとめた年次報告書『2019年ギビングUSA ~2018年の慈善活動に関する年次報告書~(Giving USA 2019: The Annual Report on Philanthropy for the Year 2018)』を発表した。
 
本報告は、教育振興支援審議会(Council for Advancement and Support of Education:CASE)の任意教育支援(Voluntary Support for Education:VSE)調査データを利用したもので、これによると、高等教育への寄付総額は、2018年に前年比7.2%増の467億3,000万ドルであったという。これは、VSE調査開始から最高額となっており、7大学において1件あたり1億ドル超の寄付が最低1件あったという。また、大規模な資金調達キャンペーンの下での寄付収入が継続して増加する一方、卒業生個人からの寄付は減少し、寄付者数も減少していることが判明した。これは、2017年減税・雇用法(2017 Tax Cuts and Jobs Act)の施行により、中所得層の大半において項目別税控除申告の必要がなくなったことで、寄付による税控除の利点が低下したためと分析されている。
 
主な結果は以下の通り。

  • 高い目標額を設定した複数年に亘る資金調達キャンペーンの実施が、高等教育機関への寄付が増加している傾向の一因で、高等教育資金調達専門機関600組織のうち、81%がキャンペーンを実施中もしくは間もなく開始。
  • 大学9校が10億ドル規模での資金調達キャンペーンを実施。
  • 2018年の卒業生以外の個人による高等教育機関への寄付は、前年比9%増。増加率が最大であったグループは、連邦資金調達組織や宗教団体などを含む「その他のグループ」で、前年比13.5%増。

2019年6月20日
 
Inside Higher ED:Larger Donations, Fewer Donors
 

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
統計、データ 統計・データ
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